尿もれが止まり、好きな登山を再開

【治験症例 5】

 尿失禁

 62歳・女性・主婦/身長157cm・体重54kg

◆症状の経過

 60歳ごろまでは元気で、好きな登山をよくしていた。60歳すぎから、くしゃみが出たときや下り坂などで腹に力が入ると、尿もれするようになってきた。最近では平坦路を歩いていても、尿もれが見られるようになった。

 好きな登山も、尿もれするのが心配で自重していた。病院では、「病的なものではなく、尿道活約筋の弱り」と言われた。光線治療は以前からときどき使っていたが、今回、尿失禁の治療指導を当付属診療所(光線研究所付属診療所)で受けた。

◆光線治療

 治療用カーボンは1000-3002番を使用し、両足裏部⑦10~20分間、両足首部①・両膝部②・腰部⑥(以上集光器使用せず)・左右下腹部㉓㉔・後頭部③(以上1号集光器使用)各5~10分間照射。

◆治療の経過

 大変強い足の冷えが見られたので、1000番の治療用カーボンを使用した。光線治療器で足の冷えが軽減し、治療2ヵ月で平坦路での尿失禁はなくなったが、下り坂ではまだ頻回に尿もれがあった。そこで、陰部㉕(尿道口)10分間、仙骨部(尾てい骨の上部)5分間の治療を追加して、治療を継続したところ、下り坂での尿もれも徐々に減ってきた。治療半年間で、完全に尿もれは止まり、好きな登山も行えるようになった。

 初診時、28.4℃だった足先の温度は、半年後には32.3℃まで上昇した。握力も右27kg、左27kgだったが、半年後にはそれぞれ32kg、34kgに上昇した。

◆コメント

 笑ったり、重いものを持ったときなどに尿がもれる腹圧性失禁は、壮年期以降の女性の代表的な病気である。男性に比べて、女性の尿道括約筋が弱いことなどが一因である。また、子宮、膀胱、直腸などは、その支持組織(靭帯と骨盤筋肉)が弱くなると、下垂しやすく、子宮脱などが見られる場合もあり、陰部の違和感・不快感、尿が出にくい、尿もれ、トイレに頻回にいくなどの頻尿障害が現れる。光線療法は、尿道括約筋や骨盤内の筋肉の働きを高め、子宮、膀胱、直腸などの内臓下垂を抑制し、尿失禁が起こりにくい体調を維持する効果がある。

(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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