
高齢者に多い四大骨折に対する可視総合光線療法 4
◆橈骨遠位端骨折
本症は転倒して手の平をついたり、自転車、バイクで転んだりしてときに、前腕2本の骨のうちの橈骨が手首のところ(遠位端)で折れる骨折です。特に閉経後の中年女性以降の女性では骨粗鬆症で骨が脆くなっているため、簡単に骨折します。保存的な治療はずれた骨片を元に戻す整復操作を行い、ギプスやギプスシーネで固定します。整復出来ない場合は手術が必要になります。
■治療例
77歳 女性 主婦
左橈骨遠位端骨折
◆症状の経過
75歳時、自宅で転倒し左手をついた。左手首に痛みがあったので整形外科を受診。検査で左橈骨遠位端骨折と診断され添え木で固定した。光線治療が自宅にあったので治療法確認のため当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診。
◆光線治療
治療用カーボン3001-4008番を使用。⑦②各10分間、骨折部は添え木があるので1号集光器使用で手指甲、肘上部を各15分間照射。
◆治療の経過
自宅で毎日治療を行った。治療初期は鎮痛剤を服用したが、光線治療1ヵ月後には痛み、腫れが改善した。治療2ヵ月後、自宅で安静にしていることが多く筋力が低下した。これ以降は光線治療とともに歩行、体操などを積極的に実行した。体を動かすようになって左腕、左手の指の動きが改善した。治療1年後、骨折後の後遺症はなく、体力低下を防ぐため歩行、体操、光線治療は継続している。
光線研究 第649号 令和7年4月1日 一般財団法人 光線研究所