ミトコンドリアを活性化させる可視総合光線療法

 一般財団法人光線研究所

  研究員      佐藤 仁

  所長 医学博士 黒田 一明

■ミトコンドリアとは

 人間は多くのエネルギーが必要で、解糖だけではエネルギーが枯渇してしまいます。しかし、ミトコンドリアは、解糖によるエネルギー産生の20倍程のエネルギーをつくり出すことができます。ミトコンドリアの数が多く働きが良好なほど、酸素を取り込みながら多くのATPと呼ばれるエネルギーを作り出します。このATPにより、まず熱エネルギー産生を促進し、冷えや低体温が改善されます。さらにATPによって疲れ難く、長時間運動が可能になったり、免疫力アップし病気にかかり難くなったり、病気の治りがよくなったり、美容効果や老化を抑えることにもつながります。ミトコンドリアの数と機能が落ちれば身体の全機能は低下します。慢性疲労、慢性疾患や精神疾患、老化、ガンなどとも関連があります。ミトコンドリアの数と機能を高めることが健康で元気な生活ができることにつながります。

■ミトコンドリアとガン

 ガン細胞が、細胞への糖の取り込みが異常に多い理由は、ガン細胞ではミトコンドリアが機能異常となり、効率の悪い解糖でエネルギーを作るので、糖が大量に使われるためです。まずミトコンドリアが機能異常を起こさないようにすることが細胞をガン化させないために大切です。ミトコンドリアが機能異常を起こす原因は、低体温や酸素不足、ウィルス、慢性炎症などがあります。ミトコンドリアは、異常な細胞を消滅させる機能がありますが、ミトコンドリアが上手く機能しないと異常な細胞が増殖してガン化してしまいます。身体が冷えて、低体温では一層ミトコンドリアの働きが鈍くなるので、ガン細胞の増殖が進みやすくなります。

■ミトコンドリアと老化

 加齢によって筋肉量減少や筋力低下、運動機能低下、内臓機能低下、認知機能低下などが起こってきます。いずれも、加齢によるミトコンドリアの減少や機能低下で、細胞を動かすエネルギーの産生が減少することで起こります。つまりエネルギー不足が老化の進む原因です。加齢による老化を抑えるには、生命活動に必要なエネルギーの産生を増やすこと、つまりミトコンドリアを増量させ、機能を高めることです。エネルギーが豊富にあれば、老化の進行を抑え若々しくいることが可能です。そのためには筋力アップやウォーキング、ジョギングなどの有酸素運動なども有効ですが、日光浴や光線療法も併用すると、よりミトコンドリアの機能アップにつながります。

■ミトコンドリアと光線療法

 ミトコンドリアは体温37℃で最も活性化すると言われています。低体温下では、ミトコンドリアも活動が弱まり、ATPの生成力が落ちます。身体を温めると免疫力が上がるというのは、ミトコンドリアの働きが良好になりエネルギーが増え、免疫細胞の働きも良くなるからです。可視総合光線療法の温熱作用は、身体を温めミトコンドリアが働きやすい状態にします。また日光や可視総合光線療法に含まれる紫外線で産生されるビタミンDは、ミトコンドリアの働きを活性化させエネルギー生産量を増加させることが判っています。ビタミンDは、ミトコンドリアにダメ―ジを与える慢性炎症を抑制する作用もあります。さらに可視光線もミトコンドリアの働きを活性化させます。つまり、日光や可視総合光線に含まれる紫外線・可視光線・赤外線が総合的に働いてミトコンドリアの働きを活性化させ、生命活動に大切なエネルギーの産生を増やすことが、私たちが健康で若々しく元気でいられることにつながります。

『光線研究 第634号』令和4年10月1日発行 一般社団法人 光線研究所

馬込沢うえだ鍼灸院

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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