乳ガン術後の体力が回復、傷痕の痛み消失

【治験症例 1】 

乳ガン術後、変形性膝関節症

 65歳・女性・主婦/身長150.5cm・体重61.2kg

◆症状の経過

 大学教授をしていた63歳のとき、左乳房のしこりに気づいた。大学病院で受けた検査の結果、乳ガンと診断され、左乳房全摘手術を受けた。術後は疲れやすく、傷痕の痛みもあった。いろいろ不安もあり、ワクチン注射や漢方薬なども試していた。

 友人からは、体力回復や再発予防に光線治療がよいのでないかとのアドバイスを受けた。しかし、その友人も光線治療を実際にどのように行えばよいのかわからないので、一度相談をかねて当付属診療所(光線研究所付属診療所)での診察を勧められた。術後2年の65歳時に当所を受診した。

◆光線治療

 治療用カーボンは1000-4008番を使用し、両足裏部⑦・両足首部・両膝部②・手術痕部各10分間、腹部⑤・腰部⑥・後頭部③各5分間照射。⑦①②⑤⑥は集光器使用せず、③手術痕部は1号集光器使用。

◆治療の経過

 入院・手術を機会に退職して、光線治療を購入して自宅で毎日、ひたすら光線治療に専念した。

 治療3ヵ月でからだが温まり、背すじが伸びて、からがしっかりしてきた。治療6ヵ月前後で、傷痕の痛みや引きつれは軽くなり、買い物や家事などが普通にできるようになった。その後は左肩の動きも支障なく、左腕にむくみも見られず、比較的体調はよかったので、徐々に治療の回数が少なくなってきた。 

 光線治療5年目の70歳ごろから両膝が痛くなり、階段の昇降がつらく、正座が不能となり、整形外科の検査で変形性膝関節症と診断された。治療用カーボンを1000-3001番に変更して治療を継続し、右膝痛は約1年間の治療で、左膝痛は治療1年半で完治した。その後も膝の経過はよく、治療10年後の現在も体調は順調である。

◆コメント

 乳ガンや子宮ガン(とくに子宮体ガン)は本来、白人に多いガンであったが、わが国でも社会環境の変化にともなって増加している。そのため、手術を受ける症例も増加し、乳房切除そのものの是非、あるいは切除の範囲などに関して、医学界でも大きな問題となっている。また、どのような手術であっても、術後は何らかの術後後遺症に悩むこととが少なくない。

 本治験例は幸いにも、局所的な後遺症は傷痕の痛みだけであった。全身的には疲労感や不安感が強く出ていたが、光線治療の継続によって全身の血行が改善されるとともに疲労感は少なくなり、傷痕の痛みもなくなった。

 しかし、体調がよいため、光線治療を一時中断した結果、血行状態が悪化して膝痛が見られるようになった。それ以降、光線治療を再開して着実に続けたところ、膝痛は改善し、治療開始してから10年後の現在(75歳)も、体調は良好である。

●血圧(mmHg)

127/70(初診時)→ 129/65(1年後)→ 100/68(5年後)→ 127/74(7年後)→ 125/64(8年後)→ 139/63)10年後)

(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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