肝胆膵疾患に対する可視総合光線療法

 一般財団法人 光線研究所 

  所長 医学博士 黒田 一明

 消化器は、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、胆管、膵臓という幅広い臓器があります。肝胆膵内科では、肝臓、胆嚢、胆管、膵臓の疾患を肝臓専門の医師及び胆膵(胆嚢、胆管、膵臓)専門の医師が担当します。食道や胃、大腸など消化管疾患は消化管内科が担当します。消化器疾患は複数の臓器に係わる場合が多いのため、肝胆膵内科と消化管内科で連携し治療を行い、外科や放射線科などとの連携も重視されます。

 今回は原発性胆汁性胆管炎、胆管ガン、膵臓ガンの治療例と関連する文献を解説します。

■可視総合光線療法

 肝胆膵疾患には、肝炎、肝硬変、原発性胆汁性胆管炎、肝細胞ガン、転移性肝ガン、脂肪肝、胆石、胆嚢炎、胆嚢ガン、胆管ガン、膵炎、膵臓ガン、閉塞性黄疸など多くの疾患があります。光線療法は連続スペクトルによる光及び熱エネルギーを補給し、血行や冷えを改善し、体を温め抗病力を高めて病状を改善します。免疫異常による疾患は光線療法の免疫機能を是正し疾患の進行抑制や症状を改善します。ガン疾患には光線照射により産生されたビタミンDがガン細胞増殖陽性作用、血管新生抑制作用などのビタミンDの抗腫瘍作用によりガンの治療、予防につながります。抗ガン剤との併用はその効果がより高まることがあります。近年赤外線にはガン細胞の増殖を直接抑制する抗腫瘍作用があります。

■原発性胆汁性胆管炎(PBC)

 PBCは、肝臓の中の細い胆管が壊れる病気です。胆管が壊れる原因としては免疫疾患と言われています。血中に抗ミトコンドリア抗体という物質が検出されるのが本症の特徴で、中年以降の女性に多い病気です。治療として胆汁の流れをよくするウルソを使用しております。

●PBC患者においてビタミンDの状況は臨床症状と関連する(カナダの研究2025年)

 PBC患者の血中ビタミンD濃度は平均31ng/mlで、25%がビタミンD欠乏であった。ウルソの効果が出ない患者は血中ビタミンD濃度が20ng/ml未満と低い場合に多く、20ng/ml以上の場合は22%であった。ビタミンD欠乏者では肝硬変への進展リスクは約2倍高く、肝関連疾患による死亡率や肝移植リスクは約3.3倍高いことが判明した。

 光線研究 第641号 令和5年12月1日発行 一般財団法人 光線研究所

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

代謝・内分泌・免疫の病気肝炎・肝硬変・肝臓ガン・膵炎・膵臓ガン・胆石・胆のう炎・胆のうガン・胆のうポリープ肝臓・膵臓・胆のう・胆道の病気