夫源病・妻源病に対する可視総合光線療法

 一般財団法人 光線研究所 研究員 柿沼 規之

 夫源病・妻源病(ふげんびょう・さいげんびょう)とは、夫や妻のなにげない言動で対する不平や不満、あるいは存在そのものが強いストレスとなり、心身に影響を与え、様々な症状を引き起こす病的概念で、医学的病名ではありません。2011年に大阪大学大学院医学系研究科准教授の石倉文信医師が命名し著書で発表、メディアでも紹介され注目浴びました。 

 心身の異常を感じているにも関わらず、原因が特定できない不定愁訴で当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した患者様の中で本病が疑われる方に可視総合光線療法で効果がみられ、その後の経過が良好な症例を紹介します。

■発症のきっかけと主な症状 

 子供の独立や、大病、定年などのライフスタイルの変化を境に、急激に夫婦関係が崩れ夫源病・妻源病になる場合が少なくありません。本病の大変なところは心身に不調を起こす程の大きなストレスを与えている原因となる相手自身にその自覚がないことです。症状は耳鳴り、めまい、頭痛、不眠など多岐にわたります。なかには病院で「更年期障害」や「自律神経失調症」と診断される場合も多いようです。夫や妻が外出などで不在のときには症状がでない、または軽くなる、夫や妻の言動によりその症状が重くなるなど因果関係が考えられる場合は、本病の疑いが濃厚です。

・我慢強く弱音をはかない

・几帳面で責任感が強く、仕事や家事に手を抜けない

・細かいことをくよくよと気に病む性格

 これらのタイプの人は、ストレスを抱え込みやすく、本病になりやすいといえます。強いストレスを感じると自律神経が乱れ、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが枯渇します。セロトニンは心を元気に保つためのガソリンのようなもので、不足すると全身の不調に繋がり、ひどい場合はうつ状態になります。

■可視総合光線療法

 適度にストレスは緊張感や生き甲斐となりますが、心身に異常を起こす程のストレスを溜め込むことは大きな問題です。特に更年期以降の女性は、女性ホルモンが減少し若い頃に比べストレスに対する抵抗力が弱くなっているおとが多く早急に対応し、治療を開始することが望ましいといえます。

 過度なストレスを溜め込むことで体は冷えてしまい、エネルギー不足に陥ります。可視総合光線療法の光と熱は体を温め血行状態を良好に自律神経やホルモンバランスを整え、脳内しんけい伝達物質セロトニン分泌を促すように働きかけます。それにより症状の改善に寄与し、日常生活の質を高める効果が期待できます。また光線療法とともに根本の原因である「夫や妻に対するストレス」を過大に感じずにすむように、不満に思っていることを少しだけ言葉に出し理解し合うことが大切です。コミュニュケーションを取ったり、お互いに外出する頻度や時間を増やすことで、互いに心地よい距離感の夫婦関係を再構築することが有効になることもあります。一人でできるストレス解消法としてカラオケで大声を出す、映画やテレビを見て思いっきり笑ったり泣いたりするなど気分転換することもお勧めです。

◆治療カーボン

3002-5000番、3001-5000番、3000-5000番、1000-3002番などを使用。

◆照射部位及び照射時間

両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②(以上集光器使用せず)、後頭部③(1号集光器使用)、左右咽喉部④・前頭部⑮(以上2号集光器使用)を各5~10分間照射。

光線研究第639号 令和5年6月1日 一般財団法人 光線研究所発行

馬込沢うえだ鍼灸院

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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