慢性B型肝炎による全身のだるさが改善
【治験症例 4】
慢性B型肝炎、肝臓ガン
39歳・男性・自営業/身長165cm・体重76kg
◆症状の経過
29歳時、夕方になると胃のむかつきが起こるようになった。病院で検査を受けたところ、軽度の胃炎とB型肝炎(両親とも肝炎の既往歴はなく、本人に輸血経験もなく、感染ルートは不明)と指摘された。
そこでインターフェロン治療を3種類試したが、著名な効果はなく、B型肝炎も徐々に進行し、血小板は3万/μlまで低下して、※脾臓も肥大した。
36歳のときに肝臓ガンも発症し、エタノール治療を受けた。肝機能GOT・GPTは50IU/l前後だったのが、1年前からGOT100IU/l以上、GPT200IU/l以上に上昇したので、強力ミノファーゲンCの注射をした。
しかし、肝機能の数値はなかなか下がらず、夕方になるとからだのだるさが強く、家業であるクリーニング店の仕事も1日数時間しかできなかった。また、夜間は熟睡できず、ときどき睡眠導剤も服用していた。
B型肝炎の進行に対する不安はとても強く、病院の治療だけでは心もとなく思っていたところ、友人の紹介で光線治療を知り、当付属診療所(光線研究所付属診療)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは1000-3001番を使用し、両足首部①・両膝部②・腹部⑤・腰部⑥(以上集光器使用せず)各5分間、肝臓部㉗(2号集光器使用)・背正中部㉘10分間、後頭部③(以上1号集光器使用)5分間照射。
◆治療の経過
光線治療開始後4ヵ月目まで肝機能の改善がなく、光線治療の効果が出ないことに不安を感じていた。慢性肝炎は、根気よく治療を続けることが、最も大切であるので、さらに治療を続けた。
4ヵ月目以降は肝機能が急に改善し、ほぼ正常範囲となった。睡眠導入剤なしに熟睡でき、からだのだるさがとれて、仕事ができるようになった。当所(光線研究所付属診療所)に定期受診時も、表情や話し方がしっかりしてきた。肝機能値と症状安定のため、光線治療は継続している。
◆コメント
可視総合光線療法は、肝機能を高める働きがあり、慢性肝炎の進行を抑え、身体症状の安定に寄与する。
※脾臓肥大:肝臓は門脈という太い血管により、食道、胃、脾臓、腸につながっている。肝硬変によって肝臓内の血流障害が起き、門脈圧亢進を来たす。門脈の圧が上がると(門脈圧亢進と呼ばれる)、食道、胃静脈瘤ができたり、脾臓が肥大する。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著