健康寿命を実現する予防医療
今後、わが国は高齢者人口の増加により、関節疾患、骨粗鬆症、関節リウマチ、腰痛、脊椎疾患、重度の外傷など、多くの筋骨格系障害を持つ患者数が増加する。そして、疼痛にともなう社会的損失はますます増大し、世界各国は膨大な医療費を負担しなければならなくなる。
そこで、21世紀は遺伝子治療や臓器再生などの組織工学が最先端の治療となり、筋骨格系組織の代替が積極的に行われるようになる。しかし、このような最先端治療だけを頼るのではなく、私たちの健康を増進し、健康寿命(自立期間)を延長するという観点からは、筋骨格系疾患に対して、むしろ予防医療に力を入れるべきである。そしてまた、患者の自然治癒力を引き出すことを無視して、薬剤の使用という対症療法(間違った治療)を行ってきた現代医療に対する反省も必要になってくる。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著