薬の服用なしで、前立腺炎が完治
【治験症例 6】
前立腺炎
66歳・男性・会社員
◆症状の経過
65歳の冬、年末の忙しさや飲酒がすぎて、頻尿、排尿痛、前立腺部の不快感があり、泌尿器科の検尿で細菌性の前立腺炎と診断され、抗生物質を服用した。
1~2ヵ月間、飲酒を減らし、一時的に症状は軽減したが、その後しばらくして、以前と同様の症状が出現し、薬の服用を再開した。半年後、薬の効果がないため、知人の紹介で当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-4008番を使用し、両足裏部⑦・両膝部②・腰部⑥(以上集光器使用せず)・前立腺部㉖(2号集光器使用)各10分間、腹部⑤(集光器使用せず)5分間、尾骨周囲(1号集光器使用)10分間照射。
◆治療の経過
自宅で毎日光線治療を行った。治療2ヵ月前後で症状は軽くなり、3~4回はあった夜間尿は1~2回に減った。しかし、仕事が多忙となり、光線治療を中断していたところ、3ヵ月後に尾骨周囲の痛みが出てきたため、当所を再診し、光線治療を再開した。
それからは以前と同様の照射法で、根気よく治療を続けた。治療1年後、前立腺炎は薬の服用をせずに、光線照射のみで完治した。
◆コメント
中高年を対象にした排尿に関する疫学的研究報告(本間之御夫先生、2003年調査)によると、排尿で問題となる症状は、夜間頻尿が38.2%、昼間の頻尿が19.3%、膣圧性尿失禁が14.5%、尿意切迫感が10.4%、尿勢低下が6.6%であった。さらに、排尿に関するトラブルは、心の健康、活力、身体的活動、家事や仕事、社会活動などに、少なからぬ制約と大きな影響を与えることが明らかになった。
また、2006年に発表されたある製薬会社の排尿障害に関する意識調査では、過活動膀胱にあてはまる人は18.4%もあり、40歳以上では男女ともおよそ5人に1人の割合で、加齢とともにさらに増加する。過活動膀胱とは、尿失禁や頻用分野の新しい診断名であり、しばしば頻尿や夜間尿をともない、ときには尿失禁を引き起こすこともある。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著