アトピー性皮膚炎と光線療法 4
●からだを温め、免疫機能を高める
アトピー性皮膚炎の主な原因は、熱エネルギー不足による血行不良(冷え)、免疫機能の低下、新陳代謝の悪化などが関係しており、何よりも身体内部の異常状態の改善が求められる。
その点、可視総合光線療法はからだに不可欠な栄養素である光・熱エネルギーの不足を補充し、からだと皮膚の両面から改善する有効な治療法である。光・熱エネルギーをからだに補充するためには、紫外線・可視線・赤外線の連続スペクトルが必要であり、光線療法で使用するカーボンアーク灯は、これらの光線すべてを照射することができる。
また可視総合光線療法は生体のエネルギー源を作り出す「細胞の発電所=ミトコンドリア」を刺激することで、熱の産生を促進し、アトピー性皮膚炎患者の冷えたからだを温めるとともに、大幅に低下した各種の代謝機能を改善して、かゆみ・発赤・炎症などの皮膚症状の治癒をうながす。
アトピー性皮膚炎の患者の多くは、からだが冷えているので、可視総合光線療法(紫外線・可視線・近赤外線)を同時に照射することでからだが温まり、免疫や胃腸の消化作用など、老廃物や異物を排除する機能が促進され、アトピー性皮膚炎のさまざまな症状が改善・治癒することになる。とくに近赤外線の熱エネルギーは、体内に浸透してからだを温め、血液・リンパ系の循環を改善する作用がある。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著