アキレス腱の縮みが改善し、踵痛が消退
【治験症例 9】
右踵痛
72歳・女性・主婦/身長153cm・体重72kg
◆症状の経過
71歳ごろから、右踵の痛みが出始めた。受診した病院の検査で、骨棘(靭帯付着部や関節面から骨が増殖し、棘状になっているもののこと)があると診断された。鎮痛剤を処方されたが、あまり効果がなく、最近は杖を使わなければ歩けない状態だった。
その前年、70歳時に左乳ガン(初期)全摘術を受けたが、術後からだを動かすことが減っていたため、2年間で体重が10kg増えていた。左腕痛もあった。
◆初診時の所見
痛みのある右足裏は硬く、右踵からアキレス腱、ふくらはぎ(腓腹筋)にかけて緊張が強かった。常に右アキレス腱部が痛み、踵が引っ張られる状態だった。
術後の体重増のため、右下肢に負荷がかかったことも、痛みの要因と考えられた。
◆光線治療
できる範囲でよくからだを動かすように指示し、体重を減らすように努力してもらった。光線治療ごとに右踵の痛みは軽減し、治療5回目でほとんど痛みは消退し、踵周辺に圧迫が残るのみとなった。右アキレス腱の伸びも改善した。
光線治療10回目で、杖を使用せずに歩行できるようになった。体重も70.3kgまで減った。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著