膝関節の手術後の痛み、下肢のしびれが改善
【治験症例 11】
変形性膝関節症(術後)
65歳・男性・無職/身長160cm・体重62kg
◆症状の経過
1年前、急に右膝が痛み出し、整形外科を受診した。変形性膝関節症と診断され、膝の水を8回抜いた。その後、膝が徐々に曲がらなくなり、関節鏡検査を受けた結果、手術を勧められ、3ヵ月前に膝の手術を受けた。
しかし、膝関節の術後も、歩行時に右膝の痛みが続き、膝に力も入らず、さらに手術創部の痛み、右下肢のしびれもあった。整形外科では注射を受けていたが、ほとんど改善がないので、以前から光線治療をしていた妻に勧められて、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-4008番を使用し、両足裏部⑦・両膝部②の表裏・右膝下部(手術創部)・腰部⑥各10分間、腹部⑤・後頭部③各5分間照射。⑦②の表裏・⑤⑥以上集光器使用せず、右膝下部は1号集光器使用。
◆治療の経過
3ヵ月間、毎日治療を続けた結果、徐々に膝に力が入るようになり、歩行が安定してきた。右膝や手術創部の痛みはなくなり、右下腿のしびれも半減した。初診時は新大久保駅より当所(光線研究所付属診療所)まで歩いて30分かかったが、3ヵ月目の受診時は12分ほどで歩くことができた。足にまだ冷えがあるので、自宅治療を継続、治療6ヵ月後、整形外科で改善しなかった膝の状態は、ほぼ完治した。
治療4年後の現在、右膝はとくに歩行にも支障がなく、食欲・便通・睡眠も良好である。関節痛の再発予防と健康管理のために光線治療は継続している。
◆コメント
高齢化社会を迎えた現在、変形性膝関節症は中高年にとって大きな問題のひとつである。近年は内視鏡手術の進歩により、手術による患者の肉体的負担(侵襲)も少なくなってきているが、本治験例では切開手術を受け、膝関節内には金具が入っていた。術後の回復が悪く、痛みが続いて歩行も充分にできない状態であったが、半年間の光線治療により完治することができた。
光線療法は、本治験例のような膝関節の術後を含め、手術後の体力回復や機能異常の改善に大変有用である。
●血圧(mmHg)
126/70(初診時)→ 116/89(3ヵ月後)→ 120/72(4年後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著