膝痛が改善し、緑内障による眼圧が低下
【治験症例 10】
膝痛、緑内障
70歳・女性・主婦/身長160cm・体重59kg
◆症状の経過
60歳ごろから、両膝に痛みが見られるようになった。
整形外科のレントゲン検査では著明な変形があり、膝痛は腰の異常も一部関連していると指摘された。まったく正座はできず、階段の下りや下り坂では膝の痛みが強かった。
また、67歳時、白内障の手術を受けてから眼圧が高くなり、緑内障の診断を受けて点眼薬を使用していた。
膝痛や眼圧が高いことを心配していたところ、近所の人から光線治療器を紹介されたので、当付属診療所(光線研究所付属診療所を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-4008番を使用し、両足裏部⑦・両膝部②・腰部⑥・肝臓部㉗各10分間、後頭部③・眼部⑯各5分間照射。⑦②⑥以上集光器使用せず、③⑯以上1号集光器使用。
◆治療の経過
自宅で光線治療を毎日継続するとともに、当所(光線研究所付属診療所)に月1回指導と治療を受けるために通院した。光線治療1ヵ月後、眼圧と膝の痛みは不変であったが、膝関節の動きは良好になってきた。
治療2ヵ月後より眼圧が下がり始めた。治療半年後、右膝痛は軽減してきたが、歩行時の左膝痛と腰痛は続いていた。治療3年後、膝痛は相変わらず続いていたが、以前より歩行が楽になってきた。
治療5年後の現在、膝は冷えると痛みが強くなるが、家事や歩行などは、ゆっくりであれば普通に行うことができる。緑内障のほうも眼圧は正常となり、いまのところ視野や眼底などは問題なく、安心している。
◆コメント
本治験例は、膝関節の変形、下肢の筋力低下が著明で、なかなか痛みがとれなかったが、歩行による筋力強化と光線治療を根気よく継続して、徐々に楽になってきた。
一方、眼圧が上昇する緑内障は、進行すると失明の危険もある眼病だが、本治験例では光線治療により眼圧がうまくコントロールされ、進行を抑えることができた。
●血圧(mmHg)
174/94(初診時)→ 164/88(1ヵ月後)→ 152/82(半年後)→ 153/78(1年後)→ 125/68(3年後)→ 137/83(5年後)
●足裏温(℃)
右:30.8(初診時)→ 33.3(1ヵ月後)→ 32.2(半年後)→ 34.2(1年後)→ 35.2(3年後)→ 33.5(5年後)
左:30.6(初診時)→ 33.3(1ヵ月後)→ 32.5(半年後)→ 34.0(1年後)→ 35.2(3年後)→ 33.5(5年後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著