正座が困難な膝痛、耳鳴り、高血圧も改善
【治験症例 8】
変形性膝関節症、高血圧症、耳鳴り
76歳・女性・主婦/身長142cm・体重49.4kg
◆症状の経過
60歳ごろから耳鳴りがあったが、耳鼻咽喉科の検査では特別な異常が見つからず、原因不明と言われていたため、さしたる治療法もないので放置していた。
70歳ごろ血圧が高くなり、ときには最高血圧が200mmHg以上になることもあったので、降圧剤の服用を始めた。
76歳時、膝痛のため正座が困難になり、接骨院に通っていたが改善の兆しがなく、肩こり、耳鳴り、腰痛もあったので、友人の紹介で当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボン3002-5000番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②各10分間、腹部⑤・腰部⑥・後頭部③・左右耳部⑰⑱各5分照射。⑦①②⑤⑥以上集光器使用せず、③1号集光器使用、⑰⑱以上2号集光器使用。左膝の痛みが強いときは3001-4008番の治療用カーボンを使用し、左膝部を1号集光器で10~20分間照射。
◆治療の経過
膝が悪いため、通院治療を行わず、毎に自宅で光線照射を行った。治療によりからだが温まり、肩こりが楽になり、イライラ感が減ってきた。治療3ヵ月で膝痛が軽減し、短時間なら何とか正座が可能になった。
治療3年後、79歳の現在、血圧は降圧剤を服用しているが、変動は小さくなり安定している。耳鳴りは光線治療をしていると小さくなる感じがある。
腰はレントゲン検査で骨粗鬆症と言われているが、当所で測定した踵骨(かかとの骨)の骨量は、同年代平均の114%とよい状態である。腰痛は見られるが日常生活は充分に可能である。
◆コメント
血圧が高いと耳鳴りをよく合併するが、耳鳴りの原因は不明なことが少なくない。本治験例も耳鼻咽喉科の検査では、その原因は不明であった。耳鳴りは光線治療でも完全に症状をなくすのは困難なこともあるが、光線照射により耳鳴りの強さが減弱して、気にならなくなることもあるので、根気よく治療することが大切である。
本治験例は光線照射により膝痛が改善し、変動していた血圧も安定した。耳鳴りも小さくなっているが、現在は腰痛も見られるので、さらに光線治療を継続している。
●血圧(mmHg)
148/87初診(76歳)時 → 140/68(77歳時)→ 134/76(78歳時)→ 134/78(79歳時)
●握力(kg)
右: 13(76歳)時 → 20(77歳時)→ 18(78歳時)→ 16(79歳時)
左: 11(76歳)時 → 17(77歳時)→ 16(78歳時)→ 18(79歳時)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著