浮腫 4
【治験例 5】
■両足下腿部の浮腫
◆66歳/男性(身長165㎝ 体重45kg)
◆症状の経過:2年前胃ガンのため胃全摘した。今年になり黄疸が出現し、胆管ガンが見つかったが、癒着が強いため摘出できなかった。バイパスをつくり黄疸は消失したが、微熱、腹痛が続いていた。退院時より全身倦怠感および食欲不振が強く、尿量も次第に減少し、退院2週目より両下肢に浮腫が出現した。
◆光線治療:1000-3001番の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両足首部、両膝部各10分間、腹部(以上集光器使用せず)各5分間、肝臓部(2号集光器使用)10分間、背正中部10分間、後頭部5分間(以上1号集光器使用)照射。
◆治療経過:自宅にて毎日1回治療した。治療開始翌日より尿量が増え始めた。3週間で両下肢の浮腫は消失した。睡眠が深くなり、食欲も回復してきた。倦怠感も半減し、20~30分間の散歩が可能になった。
◆下腿部の周囲径
右:初診時 30.5㎝ → 3週間後 28.0㎝
左:初診時 30.0㎝ → 3週間後 28.0㎝
【治験例 6】
■両足下腿部の浮腫
◆52歳/男性(身長164㎝ 体重78kg)
◆症状の経過:20日前より下肢のふしゅが出現した。とくに下腿部の浮腫が強かった。仕事は加工業で1日中立ち仕事が多く、夕方にはむくみで歩行しにくかった。病院でサルコイドーシスと診断されたが、肺や眼に異常はなかった。10年前より家族中で光線治療を行っていたので、当診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
※サルコイドーシス:サルコイドーシスとは、全身臓器、眼、皮膚、神経など、全身のさまざまな部位に炎症が生じ、結節(しこり)ができる原因不明の病気。
◆光線治療:3002-5000番の治療用カーボンを使用し、両足裏部10分間、両足首部5分間、腓腹筋部、両膝部、腰部各10分間(以上集光器使用せず)、左右下腹部各5分間(1号集光器使用)照射。
◆治療経過:治療1ヵ月目で浮腫は一まわり小さくなった。また夕方の歩行困難はなくなった。治療3ヵ月目には1日中立っていても浮腫は全くなくなり、階段を一気にあがっても息切れも全くなくなった。回復が早いので主治医も非常に不思議がっている。
◆下腿部の周囲径
右:初診時 45.0㎝ → 1週間後 40.2㎝ → 3週間後 39.2㎝
左:初診時 30.0㎝ → 1週間後 39.8㎝ → 3週間後 39.0㎝
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著