首下がり症に対する可視総合光線療法
一般財団法人 光線研究所 研究員 柿沼規之
首下がり症とは起き上がった時に前を見られず、次第に頭が下がってしまう状態と定義され、生活の質が著しく低下してしまいます。普段の生活習慣が引き金になることもあり、予防と対策次第では改善する可能性もあります。
今回、本症に対して可視総合光線療法で効果がみられた症例を紹介します。
■首下がり症の原因と症状
主な原因は加齢による筋力下低下が多いのですが、パーキンソン病や筋委縮性側索硬化症などの神経疾患により筋肉に影響が出て発症してしまうケースもあります。
初期症状は首の痛みとともに下を向いた作業を長く続けた後に発症することが多く頭を持ち上げづらいという感覚のようです。その後、進行とともに前を向いて歩けない、ふらつき、頭の重みと首の痛み、嚥下困難などが現れるのが特徴です。ひどいと起きていることが苦痛になり、外出を控えることが多くなり、常にのどが圧迫されているので呼吸が苦しいなどの症状が出てきます。
自然に治るだろうと放置して、首を支えていた筋肉の機能が極度に低下すると、治療しても回復が難しくなってしまいます。早期に発見、診断、治療を始め、予防に努めることが重要です。異変を感じたら自己判断はせず一度整形外科で見てもらうことをお勧めします。
■可視総合光線療法
本療法の光と熱エネルギーで体を温め全身の血行状態を良好にし、頭を支える土台となる首周り背中の筋肉の柔軟性を強化させることで痛みや張り、首の動きなどの症状改善が期待できます。また光エネルギーによる皮膚でのビタミンD産生作用は、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの難病で異常となった免疫、神経、内分泌などの各機能に作用して自然治癒力を高めます。これらの作用により首下がりを含めた諸症状、病状の進行抑制にも大変有意義な治療となります。
◆治療用カーボン
3001-4008番、3002-5000番、1000-3001番、1000-3002番などを使用。
◆照射部位及び照射時間
両足裏部⑦、両膝部②、腰部⑥、背中全体(以下集光器使用せず)、後頭部③、頸椎下部㉜、左右首筋部(以下1集光器使用)を照射。照射時間は各5~10分間。
光線研究 第641号 令和5年12月1日発行 一般財団法人 光線研究所