
肝胆膵疾患に対する可視総合光線療法 3
■胆管ガン
胆感の上皮から発生する悪性腫瘍で、その発生した胆管の部位により、肝内胆管ガンと肝外胆管ガンの2種類に分けられます。普通、胆管ガンと呼ばれるのは、主に肝外胆管に発生したガンを指します。本症は胆道閉塞による症状が中心で、皮膚の黄疸やゆがみ、腹痛、発熱、食欲不振、全身倦怠感などが続きます。胆管ガンを治す唯一の方法は手術とされています。その他に抗ガン剤治療、分子標的薬が用いられます。
●胆管ガン患者におけるメトフォルミン、ビタミンD投与による生存期間に与える影響(イタリア研究2021年)
イタリアの7つの研究施設からのデータを用い、胆管ガンとビタミンD、アスピリン、メトフォルミン、スタチン
利尿剤の関連を調査した。胆管ガン患者は537人で、外科手術を受けた197人については無病生存率(DFS)を算出した。進行性胆管ガン患者509人は全生存率(OS)を算出した。結果はビタミンDのみ表示。ビタミンDを摂取している患者の無病生存率は、ビタミンDを摂取していない患者に比べ0.55と生存率が良好なことが示された。進行性胆管ガン患者の全生存率はビタミンD摂取により0.64と延長される傾向があった。今回の研究から、手術を受けた胆管ガン患者、進行性胆管ガン患者ではビタミンDを摂取していると予後がよいことが判明した。
光線研究 第641号 令和5年12月1日発行 一般財団法人 光線研究所