慢性疼痛に対する可視総合光線療法 4
~侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、痛覚変調性疼痛~
Ⅱ.神経障害性疼痛
何らかの原因で痛みに感覚を司る神経経路(中枢、脊髄、末梢神経)のどこかが傷つき、その神経支配領域に異常が生じ、痛みを感じると考えられます。本疼痛の原因や病態はまだ不明な点が多く、一般的な鎮痛薬が効かず慢性疼痛の原因となります。主に帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、複雑性局所疼痛症候群、糖尿病性神経痛、脊髄手術後疼痛症候群などがあります。
【治験例】
帯状疱疹 80歳 女性 主婦
◆症状の経過
78歳時、夫が脳梗塞で入院した。退院してから世話が続き、疲労を感じていた。そのうち右脇腹部から腰にかけて発疹が出現し、かゆみが強くなった。皮膚科を受診し、帯状疱疹と診断され、投薬、点滴を受けた。光線治療器を持っていたので治療法の指導を受けに当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボン3001-3002番を使用、⑦②各10分間、⑤⑥各5分間、右腹部、右腰部の患部(1号集光器使用)各10~20分間照射。
◆治療の経過
自宅で毎日光線治療を行う。発疹は治療2週間後には消退した。治療1ヵ月後、帯状疱疹による内臓を針で刺されるような痛みはVAS 10/10からVAS 5/10に半減した。治療2ヵ月後、薬でとれなかった痛みは完治した。(VAS 0/10)。2年が経ち、先日腰痛と膝痛で来診したが、帯状疱疹による痛みは再発もなく、光線治療のお陰で完治したとのことである。
『光線研究 第637号』令和年4月1日発行 一般社団法人 光線研究所