乳ガン術後の骨転移の進行が抑制、痛みも消失
【治験症例 2】
乳ガン術後(骨転移)
46歳・女性・パート勤務/身長154cm・体重50kg
◆症状の経過
41歳時、左乳房のしこりに気づき、病院で検査を受けた。最初は乳腺症と言われていたが、のちに転移性の高い乳ガンだと診断された。左乳房を全摘して、その後、2年間ホルモン治療を受けた。術後5年間は再発がなかったが、その後、ときどき胸骨の付近に痛みを感じるようになり、検査の結果、胸骨へのガン転移と診断され、愕然とした。日増しに胸骨部痛が増し、ときどきズキズキと刺すような痛みがあったため、病院で鎮痛剤とホルモン治療を始めた。多少痛みは楽になったが、常に胸部は気がかりで、何より今後のガンの進行を心配していた。
夜もよく眠れず、暗い日々を送っていたとき、仕事先の方にに光線治療を紹介され、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは1000-4008番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・腰部⑥・胸部(術後傷痕患部)各10分間、胸骨転移部10~20分間照射。⑦①②⑥以上集光器使用せず、⑫・胸部傷痕患部は1号集光器使用、胸骨転移部は2号集光器使用。
◆治療の経過
自宅で毎日、光線治療を行った。胸部全体に集光器を使用せずに照射すると大変気持ちがよかったので、胸部全体の照射も追加した。光線治療でからだが温まり、気持ちも楽になってきて。寝返りで多少胸の痛みは出るものの、夜はよく眠れるようになってきた。
病院で月1回のホルモン注射を始めた。治療効果を上げるために、治療2ヵ月目からは光線治療器を2台に増やして、朝と晩に各60分間の治療を行ったところ、胸の痛みがとれてきて、痛み止めを使わなくてもよくなった。食事もおいしくとれるようになり、再発がわかってから減っていた体重も、徐々に増えてきた。
胸骨転移部は当初、ポコッと盛り上がっていたが、だいぶ平らになってきた。骨転移がわかってから1年経ったが痛みはまったくなく、体調はすごぶるよい。
2ヵ月ごとに行われる病院での血液検査でも、異常がなく、ガンは抑えられている。
◆コメント
ガンの再発転移はまず精神的に大変な打撃を与え、症状がともなえば、なおさら心身ともに強いストレスが加わることになる。本治験例でも、そのストレスのせいか、初診時は大変からだが冷えて、血行が悪い状態であった。
しかし、光線治療とともに血行動態がよくなり、このことは下記のデータの経過からも裏付づけられている。骨量の低下が見られないのは、元気にからだをよく動かしている結果だと思われる。
なお、骨量評価値(%)は、同性同年齢の人を100とした場合の率を表している。
●足裏温(℃)
24.0(初診時)→ 32.9(半年後)→ 34.0(1年後)
●骨量評価(%)
105(初診時)→ -(半年後)→ 104(1年後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著