眼圧安定、緑内障の進行が止まる
【治験症例 7】
緑内障
59歳・女性・主婦/身長154cm・体重55kg
◆症状の経過
50歳前後から眼の疲れ、チカチカ感があり、眼科で緑内障の初期と診断され、点眼薬を使うようになった。
友人から光線治療の話を聞き、肩こりや腰痛もあったので、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-5000番を使用し、両足裏部⑦・両膝部②(以上集光器使用せず)・肝臓部㉗(2号集光器使用)各10分間・腹部⑤・腰部⑥(以上集光器使用せず)・後頭部③・顔(眼・鼻)部⑯(以上1号集光器使用)各5分間照射。
◆治療の経過
眼科に通院しながら自宅で光線治療を行った。治療とともに冷え症、肩こりが改善し、寝つきがよくなってきた。眼圧は多少の変動があったが、治療1年ほどで眼のチカチカ感が減り、眼圧は安定してきた。
治療4年後の現在、検査で視野狭窄が下のほうに若干あるが、治療前と比較して進行は見られない。眼圧は15~17mmHgと安定しているが、正常眼圧でも進行することもあるので、眼科通院と光線治療は続けている。
◆コメント
近年、緑内障発症率は増加している。失明原因の第3位で、成人の眼病における重大原因のひとつになっている。緑内障は眼圧の上昇によって視神経が障害される病気である。眼圧が低い例でも、視神経が障害されることも指摘されている。近年その一部には、発症機序として自己免疫異常が関係しているといわれている。
光線治療はビタミンDなどを介して免疫を調整する作用があり、緑内障の治療に応用することが可能である。また、緑内障では体内の水分過剰が関係しているので、光線治療の血行改善と利尿の両作用によって、眼圧は下がる傾向となる。また、眼圧はストレスなど自律神経の緊張によっても上昇するので、光線照射の緊張緩和作用も有益な効果となる。
さらに、眼圧は季節的な影響も受けやすく、冬に高くなる傾向があるので、寒い時期は全身への光線照射の時間をやや長めにする対策も大切となる。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著