鎮痛剤服用による口内炎が出なくなる

【治験症例 1】

 口内炎、自律神経失調症、変形性頚椎症

 60歳・女性・主婦/身長150cm・体重44kg

◆症状の経過  

 50歳ごろから頚痛、左腕のしびれがあった。整形外科で変形性頚椎症と診断され、牽引治療を続けていた。腰痛もあり、ときどき鎮痛剤を服用していた。その副作用ですぐ口内炎ができる状態であった。

 夫を亡くしてから自律神経が不安定になり、頭重感・冷え・動悸・不眠・胃が重たいなどの症状があり、友人の紹介で当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。

◆光線治療

 治療用カーボンは3002-5000番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・腰部⑥(以上集光器使用せず)各10分間、肩甲間部⑫・後頭部③(以上1号集光器使用)・前額部⑮(2号集光器使用)各5分間照射。

◆治療の経過

 光線治療2ヵ月で足の冷えが改善するとともに、変形性頚椎症による頭痛、左腕のしびれは少なくなった。治療3ヵ月目から、腹部⑤(集光器使用せず)5分間の照射を追加治療した。治療5ヵ月で口内炎が出なくなった。

 治療10ヵ月~1年で、動悸を感じることが少なくなったが、腰痛はその日により痛む部位が変動し、一進一退の状態であった。腰痛の治療には、腰部⑥以外に痛む部位を1号集光器で20分間の追加照射を行った。

 治療3年後には、腰痛を繰り返すことが少なくなり、不眠や胃が重い状態は改善してきた。

 治療5年後の現在、足が冷えるので治療は継続中。また、自律神経失調症あの安定のため、午前中に日に当たるように心がけている。

◆コメント

 口内炎の原因は不明だが、本治験例のように鎮痛剤によって起こることがある。

 また、舌・口唇・歯肉などに小さな灰白色の膜で覆われた潰瘍ができ、触ると大変痛むものを再発性アフタという。これも原因不明でベーチェット病のような自己免疫疾患に見られることがある。

 本治験例では、光線治療で鎮痛剤による口内炎の発症を抑えることができた。また自律神経失調症も安定して、頚椎症による頭痛、左腕のしびれも軽減した。

●血圧(mmHg)

141/82(初診時)→ 125/70(5ヵ月後)→ 123/75(1年後)→ 118/71(3年後)→ 102/68(5年後)

●足裏温(℃)

右:29.3(初診時)→ 34.8(5ヵ月後)→ 32.9(1年後)→ 33.3(3年後)→ 33.3(5年後)

左:28.4(初診時)→ 34.5(5ヵ月後)→ 32.7(1年後)→ 32.9(3年後)→ 33.7(5年後)

(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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