肝臓ガン術後の肝性脳症が改善
【治験症例 8】
肝臓ガン、肝性能斑
75歳・男性・会社役員
◆症状の経過
45歳ごろからC型肝炎を指摘され、72歳時に肝臓ガンで肝動脈塞栓術を受けた。肝機能数値のGPT・GOTは正常であったが、血中アンモニア濃度が高い状態であった。病院で治療を受けたが、ときどき幻覚が現われ、足がふらつくことがあった。足のむくみも強く、一日中だるさがとれなかった。親戚の勧めで当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは1000-4008番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①各20分間、腓腹筋部㉙・両膝部②・後大腿部㉚(以上集光器使用せず)・肝臓部㉗(2号集光器使用)、背正中部㉘各10分間、後頭部③(以上1号集光器使用)5分間照射。
◆治療の経過
当所へ週2回の通院治療を開始した。光線治療10回目ごろには、足のむくみ症状はほとんど解消した。治療15回目には、全身のだるさも少なくなった。
治療20回目には、血中アンモニア濃度が150→76μg/dlに低下し、頭もすっきりして、からだを動かしやすくなった。仕事は徐々に始めている。
◆コメント
肝臓には解毒作用があり、この働きが低下すると血中にアンモニアという毒素が増加し、それが血液から脳に運ばれ「肝性脳症」という症状を呈することがある。
本治験例では、光線治療による血行改善、心・腎機能の改善とともに肝臓の解毒作用が高まり、血中アンモニア濃度が下がり、症状の改善が見られた。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著