手術でとり切れなった肺ガンの進行が止まる
【治験症例 1】
肺ガン術後
62歳・男性・タクシー運転手/身長162cm・体重67kg
◆症状の経過
個人タクシー運転手で、あまりからだを動かす機会もなく、若いころから便秘症で悩んでいた。
3年前、非常に排便が困難となり、検査の結果、直腸ガンと診断されて手術を受けた。人工肛門は免れたが、排便は3~4日に1回しかなかった。
術後6ヵ月の検査で、肝臓へのガン転移が見つかり、肝臓3分の1を切除した。さらに、肝臓手術1年後に両肺への転移が見つかった。右下葉を切除したが、右肺に1カ所、左肺に2ヵ所取り切れないガンが残った。
病院での積極的治療法はなく、定期的に経過観察を行っていた。咳や痰は少なめだったが、少し動くと息苦しさが強く、外出も困難な状態だった。
3回の手術で腹部と背中に大きな術痕があり、その傷口の痛みにも苦しんでいた。30年来、光線療法を愛用している友人の勧めで、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは、1000-4008番を使用し、両足裏部⑦・肩甲骨間部⑫を各10分間、両足首部①・両膝②・腹部⑤・腰部⑥・胸骨部㉛を各5分間照射。⑦①②⑤⑥は集光器使用せず、⑫は1号集光器使用、㉛は2号集光器を使用。
◆治療の経過
光線治療は自宅で行い、治療開始3週間で下腹部の傷の痛みが完全に消退した。胸骨部から右季肋部にかけての痛みと背中痛も半減し、食欲も出て、排便も毎日スムーズになった。体力もついてきたので、肝臓部㉗・背正中部㉘を各10分間、追加照射した。
光線治療開始3ヵ月後の病院検査で、肺ガンの進行は止まっていると診断された。顔色も良好で、大好きな温泉旅行にも、泊まりがけで行けるようになった。治療開始6ヵ月後の検査で、左肺ガンは2ヵ所とも消失しており、右肺ガンも進行なしとの結果が出て、主治医も大変驚いていた。病院検査も3ヵ月に1回に変更になった。症状は安定しており、右肺ガン消失を楽しみにしながら、光線治療を継続している。最近では、温泉に行く際にも光線治療器を持参している。
◆コメント
光線療法で全身の血液循環が改善すると、新陳代謝が活発になり、免疫力も向上して、病気に対する抵抗力も強化される。
本治験例でも、平均血圧はほぼ一定であるにもかかわらず、d/a(末梢血管の拡張・収縮状態の指標)が改善され、その結果として心拍出量(ℓ/分)が増加している。これは血行状態が改善されていることを示し、それが病状の安定に寄与していると考えられる。
●平均血圧(mmHg)
100(初診時)→ 101(3週間後)→ 98(3ヵ月後)→ 100(6ヵ月後)→ 102(1年後)
●心拍出量(ℓ/分)
4.75(初診時)→ 5.29(3週間後)→ 5.37(3ヵ月後)→ 5.48(6ヵ月後)→ 6.29(1年後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著