クラシックバレエ講師の下肢痛が軽減

【治験症例 6】

 下肢痛

 37歳・女性・クラシック・ダンサー/身長16cm・体重46kg

◆症状の経過

8歳からクラシックバレエを始め、現在はバレエ団の講師をしている。4ヵ所あるバレエ教室で後輩の指導を担当しながら、自分自身の練習もしていたので、常にからだ中が痛む状態が続いていた。バレエ団主催者が光線治療器の愛用者だったので、練習による関節痛、腰痛など痛みの治療に、光線療法をときどき行っていた。

 今回は腰痛、左右の股関節痛、左右の臀部痛、左右下腿痛、左右の足首痛があったため、バレエ団主宰者の紹介で当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。

◆光線治療

 3001-4008番の治療用カーボンを使用し、両足裏部⑦・両足首部①・腓腹筋部㉙・両膝部②表裏・腰部⑥各10分間、腹部⑤・後頭部③各5分間、左右足首の側面部各10分間、左右下腿部側面部各10分間照射、⑦①㉙②の表裏・⑤⑥・左右下腿部側面は集光器使用せず、③・左右足首側面部は1号集光器使用。

◆治療の経過

 秋のバレエ発表会を成功させるため、しばらく練習量を少なくして光線治療に専念した。当所(光線研究所付属診療所)に2~3日に1回の通院治療を行い、それ以外はバレエ教室にある光線治療器で治療を行った。

 治療2回でからだの痛みは楽になったが、すぐに元に戻る状態であった。治療10回前後でからだが温かくなり、体の緊張がほぐれる感じが出て、下肢の痛みはかなり軽減してきた。

 治療30回以降、練習を増やしたが、何とか通し稽古が可能となった。治療45回で下肢のいろいろな痛みは軽減して、秋の発表会も無事乗り切ることができた。

 バレエを続けている限り、どうしても足腰の痛みは避けられないが、光線治療により痛みが軽減するので、助かっている。

◆コメント

 本治験例の患者は、クラシックバレエダンサーである。本人自身が「バレエは格闘技そのもの」と表現するほど、とてもハードなからだの動きが要求される。そのため、からだ中がいつも痛む状態であった。とくに下半身の負担が大きく、下半身の筋肉、関節に痛みがある状態が続いていた。

 光線治療は血行改善作用によって、冷えて硬くなった筋肉の緊張を緩和し、さらに痛み軽減に有用である。本例のようにからだの筋肉・関節を使いすぎた場合は、しばらく練習を休むとも重要である。

 途中で休養をとりながら光線治療に専念し、血行動態の改善とともに下肢のさまざまな痛みを軽減することができた、よい治験例のひとつである。

●血圧(mmHg)

113/64(初回後)→ 112/63(2回後)→ 123/70(10回後)→ 117/61(45回後)

●足裏温(℃)

右: 29.7(初回後)→ 30.9(2回後)→ 32.7(10回後)→ 31.6(45回後)

左: 30.7(初回後)→ 31.7(2回後)→ 33.1(10回後)→ 32.1(45回後)

(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著

馬込沢うえだ鍼灸院

 

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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