正座がつらい膝痛が、旅行できるまでに回復
【治験症例 4】
変形性膝関節症
64歳・女性・主婦/身長160cm・体重56kg
◆症状の経過
元来、胃腸が弱く疲れやすい体質であった。64歳時、右膝が痛くなり、階段の下りがつらくなってきた。整形外科のレントゲン検査で変形性膝関節症と診断され、しばらく通院治療を受けた。しかし、症状に変化がなく、接骨院の治療に変えたが、これも効果がなかった。
趣味の茶道では正座をするため、早くよくしたいと思い、友人の紹介で当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-4008番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②各10分間、右膝部20分間、腹部⑤・腰部⑥・後頭部③各5分間照射。⑦①②⑤⑥以上集光器使用せず、右膝部と③以上1号集光器使用。
◆治療の経過
当初へ2ヵ月間、週2回の通院治療を行った。治療5回で膝の痛みがだいぶ減少してきた。治療10回で階段の昇降が楽になってきた。治療20回(2ヵ月後)で旅行に出かけたが、旅行バッグを持って歩いても、膝が痛むことはなかった。このころから正座も可能になった。
その後は光線治療器を求め、自宅で毎日治療を続けるようにした。治療3ヵ月で膝の痛みがまったくなくなった。
このころ、大きな茶会の準備やその稽古が忙しく、充分に治療ができなかった。茶会が終わることに再び、膝が痛くなってきたので、通院治療と自宅治療を再開した。
治療再開2ヵ月間で痛みはとれ、半年後には膝痛はなく、普段の生活や茶道での星座にも支障がなくなった。
◆コメント
中高年の膝痛の原因として多い変形性膝関節症は、生活上だけでなく趣味などにも大きな影響を与え、生活の質(QOL)を低下させる。
本治験例は光線により、血行の改善とともに膝痛も改善した。しかし、治療の中断によって再び症状・血行状態は悪化したが、治療の再開によって膝痛はとれ、血行・血圧は順調な経過がみられた。定期的な治療の継続が、とくに高年齢になってから、大切であることを示す治験例のひとつである。
●血圧(mmHg)
143/87(初診時)→ 129/74(3ヵ月後)→ 139/82(中断時)→ 122/70(再開2ヵ月後)→ 116/66(再開6ヵ月後)
●足裏温(℃)
右:30.0 (初診時)→ 34.1(3ヵ月後)→ 29.2(中断時)→ 32.3(再開2ヵ月後)→ 33.4(再開6ヵ月後)
左:30.4 (初診時)→ 34.3(3ヵ月後)→ 29.7(中断時)→ 32.5(再開2ヵ月後)→ 33.5(再開6ヵ月後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著