音声障害

音声障害とは、声の出しにくくなった状態です。その原因は、⦅ 風邪による急性喉頭炎、慢性喉頭炎、喉頭ポリープ、声帯結節、喉頭がんなど⦆の喉頭の病気、心因性のもの、脳の障害に由来するものなどがあります。発生のためには、喉頭にある声帯が機能する必要があります。ところが、声帯になんらかの異状が起きると、本来の声とは違った状態の声やかすれ声になったり、声が全くでなくなることがあり、これを音声障害といいます

東洋医学では、声が出なくなったり、かすれたりするものを「失音」といいます。原因には、外邪、情志の失調、声帯の疲労損傷、肺燥津傷など、もしくはこれらの因子が複数重なって音声障害が起こります。

五臓(肝・心・脾・肺・腎)でみると発声と関りをもつ臓腑は「肺(呼吸器)」だけではありません。気(空気)を吸うのは肺ですが、吸った気を納めるところは「腎(下腹、斎下炭田)」だと東洋医学では考え、腎の力が弱くなり、気を納めることができない状態を「腎不納気」といいます。吐く(声を出す)のも肺からではなく腹から出します。声楽家など、声を多く使うお仕事をされている方は、みなさん意識されていることだと思います。また武道の気合なども腹から出すことが大事とされています。

音声障害が生じたとき、確かに声を出す器官が疲労していることに間違いはありませんが、音声障害をよくするには全身の治療もしくは全身の養生が大切です。

【治験例】

■声帯ポリープ

◆65歳/男性(身長165㎝、体重73kg)

◆症状の経過:20年前より民謡サークルで毎週歌っていたが、2年半前より声がかすれるようになってきた。総合病院の検査で、声帯ポリープと診断された。左右の声帯にそれぞれ大きい良性ポリープがあり手術のためベッド待ちの状態で帰宅した。また、8年前より糖尿病であったが空腹時血糖値が120mg/dlくらいで安定していたため、食事療法・運動療法は行っていなかった。最近は左右の足趾に軽いしびれを感じることがあった。親友の紹介で光線研究所付属診療所を受診した、

◆光線治療:3001-4008番の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両足首部、両膝部、腰部各10分間、腹部5分間(以上集光器使用せず)、後頭部5分間(1号集光器使用)、左右咽喉部各10分間(2号集光器使用)照射。

◆治療経過:自宅治療1ヵ月後、手術日を決めるために検査を受けたところポリープが左右とも縮小していた。手術中止になり、3ヵ月に1回検査を受けることになった。主治医は1ヵ月でこんなに小さくなるとは信じられないと首をひねっていた。高音部は嗄声気味であるが、1ヵ月前とは聞き違えるほど声の出具合がよくなった。治療器3台を購入し声帯ポリープの完治を目指し、毎日楽しみに治療している。空腹時血糖値も100mg/dlを超えることはなく、担当医からこの調子なら当面、糖尿病の合併症はないといわれた。

(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著

声が出なくなる、腎虚を疑う

馬込沢うえだ鍼灸院

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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