アトピー性皮膚炎 1

アトピー性皮膚炎とは、皮膚のバリア機能が低下しかゆみのある皮膚湿疹を繰り返す慢性疾患です。子供の頃に多く発症しますが、思春期を過ぎても治まらず大人なって慢性化するケースも少なくありません。現在のところこれといった治療法がないため、症状を抑えるためのステロイド剤やかゆみ止めなどの対症療法が行われます。ステロイド剤の使用は副作用の問題があり、また一時的にかゆみが治まっても、長い目で見たときに治りを遅くするといったことが指摘されています。

 そういった観点からも光線治療は安心して行うことができ、アトピー性皮膚炎治療の有効な手段となり得ます。光線療法には、カサカサになって防護機能の弱まっている皮膚の水分量を増やし、潤いを与える効果があります。これは可視総合光線の中でもとくに紫外線の働きによるものです。紫外線というと皮膚によくないというイメージを持つかも知れませんが、紫外線には皮膚の水分量を増やし、潤いを与える力があります。問題視されるのは過度な日焼けであって、適度に紫外線を浴びることは健康な体や肌のためには必要なのです。光線療法に含まれる紫外線は、太陽光に比べてもわずかで、もちろん皮膚ガンなどの危険性はありません。

 

【治験例 1】

■アトピー性皮膚炎

◆15歳/女性

◆症状の経過:生後間もなくアトピー性皮膚炎が現れた。その後は比較的安定していたが、最近アトピー症状がひどくなってきた。右頬よりひどくなり始め、約3ヵ月間でほぼ全身に広がって、かゆみが強くなった。日中は足裏がたいへん冷たく、床へつくと温まり、いっそうかゆみが強く現れ睡眠にも支障があった。皮膚科へ通院してもほとんど改善はみられなった。見かねた祖母の紹介で光線研究所付属診療所を受診を受診した。

◆光線治療:3001-3002場の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両膝部、腰部、左右腕内側部、膝裏部、背中部各10分間、左肩部、右肩部、右咽喉部各5~10分間照射。

◆治療経過:光線治療開始約2ヵ月後、背中部、臀部、肩部を中心に皮膚がだいぶきれいになり、かゆみも軽快してきた。入浴した直後はかゆみが起こるが、光線治療前に比べアトピー性皮膚炎の症状が8割方改善した。光線治療3ヵ月後には、さらにかゆみが和らぎ足底の冷え感もなくなってきた。背中部、腹部、腕部、肩部の特に改善し、皮膚のかさつきもとれた。顔面への治療はまったく行っていなかったが、顔のアトピー性皮膚炎も改善した。

【治験例 2】

■アトピー性皮膚炎(湿潤傾向)

◆28歳/男性

◆症状の経過:15歳の頃、受験をきっかけにアトピー性皮膚炎が肘窩(肘の内側)、膝窩(膝の裏側)を中心に現れ、徐々に頚部、胸部、背中と広がった。皮膚科のステロイド軟膏を2~3年塗布したが、効果も上がらずかゆみが不眠が続き中止した。特に頚周囲がジクジクして赤みを帯び、下着やシャツが汚れる状態であった。人前に出ることも気が引けて消極的となっていた。また、足裏部の冷えが大変強かった。

◆光線療法:3001-3002番の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両足首部、両膝部各10~15分間、両膝裏部、腰部、背正中部、後頭部、左右咽喉部各10分間照射。

◆治療経過:治療1ヵ月後、全体的に症状が緩和してきた。9か月後には、いちばんひどかった頚部のジクジク感、赤みやかゆみが非常に軽減した。会社でも自然と活動的になり、積極的になった。足の冷えが緩和し熟睡できるようになった。

(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著

アトピー性皮膚炎に東洋医学で対応する

馬込沢うえだ鍼灸院

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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