三叉神経痛・坐骨神経痛 1

末梢神経がなんらかの因子によって直接的に刺激されて痛むものを神経痛といいます。三叉神経痛、坐骨神経痛、肋間神経痛などがあり、非常に強く痛むという特徴があります。

●三叉神経痛

顔面の知覚を支配している三叉神経が病的に興奮することで起きます。三叉神経は、第1枝(眼神経)、第2枝(上顎神経)、第3枝(下顎神経)と、1本の神経が3つに枝分かれしているためこのような名前が付いています。それぞれ支配している領域が異なり、3本が同時に痛くなることは稀で、左右同時に発症することもあまりありません。原因として、脳腫瘍、外傷、副鼻腔疾患、ヘルペスウイルスなど。また原因不明の特発性のものがあります。

●坐骨神経

坐骨神経は、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などが刺激となり、お尻から下肢にかけて生ずる神経痛です。三叉神経と同じく通常片側にのみ起こります。

【治験例 1】

■三叉神経痛・下肢血行不良

◆83歳/男性

◆症状の経過:6年前より右顔面に痛みがあり、病院で右三叉神経痛第2枝の三叉神経痛と診断されていた。神経ブロック療法を4回受けたが改善がなかった。下肢は冷えがたいへん強く、歩行時の痛みもあった。高血圧症で20年以上降圧剤を服用している。

◆光線療法:3001-3002番の治療用カーボンを使用し、両足裏部10分間、両足首部、両膝部、腰部、後頭部各5分、右眼部、右こめかみ各5~10分間照射。

◆治療の経過:治療開始2週間後、右顔面の疼痛が半減した。下肢の冷えはあまり変化がないが、痛みが引いてきたため500mくらいは休息を入れずに歩けるようになった。血圧は165/83mmHgから122/56mmHgに改善した。光線療法は自宅にて継続している。

【治験例 2】

■三叉神経痛

◆66歳/女性

◆症状の経過:10年前来の三叉神経痛で、左顔面の痛みが時々起こっていた。痛みはだんだん強くなり、鎮痛剤を使用してもなかなか効果がないため、光線治療を試みることにした。なお、以前から腰痛もみられた。

◆光線療法:3001-5000番の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両膝部、腰部、左右下腹部、後頭部、および左耳介の前各5~10分間照射。ただし、患部の左耳介の前は10~15分間、痛みの状態により、1日2回照射。

◆治療の経過:光線治療を始めて2~3ヵ月目頃から、顔の痛みはだんだん和らぎ、6ヵ月目頃には痛みもほとんど感じない程度になってきた。腰痛はいつの間にか軽快していた。患部の照射も1日1回とし、照射時間も5~10分間にして治療を継続している。

(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著

馬込沢うえだ鍼灸院

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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