骨の病気 3
【治験例 2】
■大腿骨骨頭壊死
◆78歳/男性(身長160㎝、体重56kg)
◆症状の経過:77歳頃から左股関節痛が時々あり、特にゴルフ中に痛みがあった。78歳になり、ゴルフ後の左股関節痛が激しく、歩行も困難になった。整形外科を受診し、大腿骨骨頭壊死と診断され、病院治療と鍼治療や漢方治療を併用していた。少しずつ痛みは軽減したが、歩行や階段の昇降がつらいので、友人の紹介で光線研究所付属診療所を受診した。
◆症状の経過:3月に交通事故により右下腿骨粉砕骨折で入院、4月に第1回目の手術を受けた。金具にて骨折部を固定し、骨の欠損部には腰の骨の一部を移植した。10月頃移植した骨が腐り、腐骨として傷口から排出された。これ以後傷口から排膿が続いた。
◆光線治療:1000-5000番の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両膝部、腰部、左下腹部、左臀部各5分間、両腓腹筋部、右下腹部、後頭部を各5分照射。
◆治療経過:初診時、左下腹部と左臀部に痛みがあり、歩行は杖を用い左足を引きずり、ゆっくりなら可能であった。階段は上り下りがたいへんつらかった。、また左足を外旋すると大腿内部側に痛みがみられ、左下肢は筋肉の萎縮が認められ、冷えが強かった。
1ヵ月後:立ち上がり動作時の股関節痛がかなり軽減した。しかし、朝起き上がり時の痛みは強かった。リハビリのため歩行と大腿四頭筋の筋力強化を指示した。左下腹部と左臀部は各20分間の光線照射に変更。
3ヵ月後:左股関節痛は鈍痛に変わり、左下肢の歩幅が広くなった。
4ヵ月後:左股関節の鈍痛はほとんどなく、杖なしで楽に歩行が可能となった。歩行5000歩/日。
5ヵ月後:ゴルフのハーフラウンドは支障なく行える。
6ヵ月後:MRI検査により骨頭壊死部の改善が認められた。左下肢は外旋しても痛みはない。歩行は普通に可能で、ゴルフワンラウンドも全く支障ない。歩行は1万~1万5000歩/日で、大腿四頭筋の筋力強化も継続している。以降治療用カーボンは1000-5000番と3000-5000番を1日おき交互に使用。
7ヵ月後:MRI検査で骨頭壊死部位は完治と診断。
12ヵ月後:股関節の痛みなく、日常生活に全く支障はない。歩行は8000歩/日を継続。病院の担当医は経過が予想以上によいので非常に不思議がっていた。
18ヵ月後:左下肢を強く外旋すれば多少痛みがあるが、歩行や階段の昇降は全く支障はなくなった。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著