女性の腰痛 1
腰痛は、運動器(骨や筋肉)だけの疾患ではありません。内蔵、精神に由来するものがあり、またはこれらの因子が合わさって起こります。月経、妊娠、出産、閉経にともなって起こる腰痛は女性特有のものです。月経時には骨内臓器の充血、うっ血による発痛物質の産生および停滞、または出血のための過度の筋収縮によって腰痛が起こります。更年期には女性ホルモンが減り骨密度が低下、それにともない腰部脊椎の圧迫骨折を起こしやすくなり腰痛を発症します。
子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、卵巣のう種などは下腹部の痛みだけでなく腰痛を起こすことがあります。妊娠時に腰にかかる負担が増えたり、閉経時に腰部周辺の組織が弱くなり、腰椎のすべり症を起こすことによる腰痛もあります。
対症療法にのみ頼らないこと、若い頃から運動する習慣を身につけるなど、筋肉や骨を丈夫にしておくことが大切です。可視総合光線療法は、血行促進、鎮痛、骨の強化といった作用があり、腰痛の予防緩和に多くの実績があります。
●筋肉性腰痛
許容量を超えた負荷がかかれば痛みなどの不調が生じるのは、年齢性別を問いません。日ごろから体調管理に努め、全身および筋肉に疲労が溜まらないようにすることが腰痛を予防します。
●月経にともなう腰痛
月経にともなって起こる腰痛はそのときが過ぎれば落ち着くのですが、数週間後にまた訪れます。毎月経時に起こる痛みがひどいものにならないようにしたいものです。そのためには、対症療法と合わせて体調のよいときからのケアが大切です。
●妊娠時や出産時の腰痛
妊娠時に体重の増加や、姿勢の変化(反り腰)によって腰痛を起こし出産後も続くことがあります。また、分娩による骨盤のゆるみが影響するともいわれています。
●子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、卵巣のう種による腰痛
子宮や卵巣など骨盤内臓器の病気によって腰痛が起こります。血流が滞る(東洋医学ではこれを瘀血という)ことにより痛みの物質が停滞したり、血液を体外に排出するために筋肉が過度の緊張を強いられることなどによって痛みが起きます。骨盤内で起きているこれらのことは、その情報を脳に届ける過程において、腰と同じ経路をたどるために「腰が痛い」と感じます。
参:(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著