扁桃炎・副鼻腔炎に対する可視総合光線療法

 厚生労働省の平成28年度の国民生活基準調査では、鼻がつまる、鼻汁が出る、せきやたんが出るという症状を訴える人が多いことが示されています。このデータから日本人は鼻やのどが悪い人が多いことがわかります。鼻やのどが悪いと中耳にも悪影響(中耳炎、耳管機能異常)が出てきます。鼻やのどから侵入した異物は扁桃組織や粘膜組織が異物を排除、処理します。

 今回は扁桃炎・副鼻腔炎の治療例と解説、これらの疾患とビタミンDの文献について説明します。

■防御機能としての扁桃

 扁桃は重要な防御機能で、口の中には4種の扁桃が輪状(ワルダイエル扁桃輪)に配列されています。鼻閉塞や人間の構造的欠点である口呼吸を続けていると口腔内や扁桃組織が乾燥状態になり、異物排除が不十分になります。これに過労、睡眠不足、身体の冷えなどの生活習慣の乱れが加わると、光・熱エネルギー不足が生じ免疫細胞の働きはさらに悪くなり、細菌を完全に処理できず細菌を抱えたままの白血球が全身に散布されることになります。そしてそれぞれの臓器でミトコンドリアのエネルギー代謝が障害されて種々の疾患(扁桃病巣感染症)に罹患しやすくなります。

■可視総合光線療法

 本療法は、光・熱エネルギーが不足した身体に連続スペクトルによる光と熱エネルギーを補給します。光エネルギーはビタミンD産生を促しカルシウム代謝を是正させ、さらに細胞内のミトコンドリアの呼吸を円滑にして免疫細胞の働きを回復させて細菌を抱えた白血球を効率よく除去します。また、光エネルギーは神経細胞で電流に変換され、その刺激は脳に伝えられ、松果体からメラトニン分泌など脳神経全般に作用し、免疫機能やホルモン分泌(下垂体・甲状腺・副腎)を調整し乱れた体調を回復させます。熱エネルギーは冷えた身体を温めて血行をよくし、自然治癒力、免疫機能を改善させ鼻やのどの炎症を鎮め、体調回復を促します。体調回復は扁桃病巣感染症の改善にもつながります。

■光線治療

治療用カーボン:

【扁桃炎】

3000-5000番、5002-5002番を使用。炎症、痛みが強い場合は3001-5000番、3001-4008番、1000-3001番などを使用。

【副鼻腔炎】

3001-5000番、3001-400番、3005-4008番。

◆照射部位並びに照射時間:

【扁桃炎】

 全身照射として両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・腹部⑤・腰部⑥(以上集光器使用せず)各5~10分間照射。局所照射として後頭部③(1号集光器使用)5分間、左右咽喉部④(2号集光器使用)各5~10分間照射、あるいは③④の交互照射。口腔内の炎症が強い場合は口中部⑧(2号集光器使用)5~10分間照射を追加。

【副鼻腔炎】

全身照射の他に鼻部⑯(2号集光器使用)5~10分間照射。耳や咽喉部に炎症が出る場合は左右耳部⑰⑱(2号集光器使用)・④各5~10分間照射を適宜追加。

⑰⑱照射で痛み、不快感が出る場合は乳様突起部㊵㊶(2号集光器使用)各5~10分間照射に変更することもある。局所照射は痛み、排膿など病状により、⑯⑰⑱は20分間前後と長めに照射することもある。⑯など顔への照射は厚くならないように集光器の先端から20~30cm離して目を閉じて照射する。なお、各疾患とも膿が溜まっていると光線照射で排膿が多くなることがある。排膿は治癒を促す過程なので心配ない。

●注意:中耳炎、副鼻腔炎は症状がある時は自己判断せず病院各科で診察を受けてください。特に副鼻腔炎において、好酸球性副鼻腔炎は難治性なので通院治療が必要です。

『光線研究 第630号』令和4年2月1日 一般社団法人 光線研究所発行

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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