可視総合光線療法

 可視総合光線療法には、体調を良好にする、痛みを軽減、組織の修復を促す、病気の治癒・予防等々に効果を発揮した多くの実績があります。

 地球上に生きる他の生物と同様に、私たち人間が健康に生きていくためには太陽の光を浴びることが必要不可欠です。しかし現代は、生活・勤務形態の変化等により、太陽光を浴びることが難しくなってきています。

 日光浴ぐらいならいつでもできると思っても、多くの現代人にとってはそうではありません。夏の間の幾日かだけの日光浴では、必要とされる照射量を確保するのは困難です。とくに紫外線は直接肌に浴びなければ、その効力を得ることはほとんどできないので秋冬となればなおさら。そこで求められるのが、季節、天候、時間、場所を問わず安定的かつ安全に得られる太陽光に変わる光線です。

 可視総合光線は単なる温熱療法ではありません。植物をどんなに温めても、それだけでは枯れてしまいます。太陽の光を浴びるということが大変重要です。

可視総合光線の光線は、太陽光と同じように紫外線・可視線・赤外線の光を含んでいて、かつ人体に有害とされる短波長の紫外線は含まれていません。またその他の紫外線量も地上に到達する太陽光線と比べてもわずかです。紫外線の弊害を気にすることなく、その有効面を安心して享受することができます。

 鍼灸治療と光線療法(可視総合光線療法)には次のような共通点があります。自己治癒力を高める、病気の根本に目を向けた治療法である(よって一つの病名に固執することなく、そのひとの全体をみる)、「地球上のすべての生物は大自然のエネルギーによって生かされている。人間も例外ではない」といった考えを重視する、副作用が少ない(ほとんどない)など。また、病院には行ったがあまり改善が見られず、服薬やその他の病院治療を受療した後に行う方が非常に多い、という点でも共通しています。

◆光線療法の歴史

 医師が、日光の治療特性を知るようになったのは1800年代に入ってからです。

 1854年、看護婦の母・ナイチンゲールがクリミア戦争時、野戦病院に入りきれない野外の負傷兵の治りが早いことに気づき、帰国後、病室の日当たりをよくして治療効果を上げたという話があります。

20世紀初頭、スイスのオーギュスト・ロリエ博士が日光療養所をつくり、結核(カリエス)の治療や、虚弱児の野外教育によって体質改善を行いました。

また、19世紀後半、ヨーロッパでは公園などで、カーボンアークを用いた照明が街路灯に使われていて、その下で暖をとっていた浮浪者が健康になることに、デンマークの医師であるフィンゼンが注目しました。

後に光線療法の父と呼ばれるニールス・フィンゼンはカーボンアーク灯(フィンゼン灯)を考案し1903年、ノーベル医学生理学賞を受賞し、尋常性狼瘡(皮膚結核)の治療に成功します。

◆日本の光線療法の歴史

 明治41年(1908年)、東京大学医学部皮膚科の土肥慶蔵博士が、フィンゼン・ライン灯(フィンゼン灯を小型化したもの)で皮膚病の治療を行います。

 明治43年(1926年)正木不如丘(まさきふじょきゅう)博士が長野県諏訪郡に日光療法の専門施設として富士見高原療養所を開設し、結核の治療に多大な貢献をします。

●その後の光線研究所のあゆみ

昭和2年(1927年

財団法人光線研究所元所長・黒田保次郎が千葉県佐原に光線治療室を開設、光線治療を開始。

昭和7年(1932年)

東京都中央区に財団法人光線研究所の前身である光線治療研究所を開設。

昭和14年(1937年)

『病気にならぬ光線』を発刊。

昭和16年(1941年)

文部大臣許可のもと学術研究財団といして財団法人光線研究所を設立。

昭和33年(1958年)

広島において原爆症の患者の光線治療を開始。

火傷に対し光線療法を実施し、期待以上の精化を得る。

昭和52年(1977年)

現住所に、光線研究所本館(鉄筋コンクリート3階建て)研究棟・事務棟竣工。

創設者黒田保次郎逝去(92歳)。

平成25年(2013年)

一般財団法人に移行。

人間が鍼灸を行うようになったのは石器時代と考えられています(鍼灸の歴史)。一方、医療としての光線療法が始まったのは1800年代に入ってからということですから、その歴史はそれほど長いものではないのかもしれません。しかし、人類が太陽の光によって生命力を得てきたことを考えれば、光線療法は、地球上に生命が誕生して以来の歴史をもつということになります。

~追記~ 

 光線療法研修会最終日の翌朝、光線研究所より、光線療法についての本7冊(光線研究所より発行されていて、現時点で手に入るもの全部)が送られてきました。光線療法の終了認定書を受ける際に、そのことは知らされていました。

「すでにお持ちの本もをあるかと思いますが、その場合は治療院に置いて、来院される方に読んでもらってください」とのことです。これらの本を読むと、慢性疾患には、疲労、冷え、睡眠が大きく関わっており、病気の根本治癒を考えたときに、ここ(疲労、冷え、睡眠)に目を向けることが非常に重要であるという、当たり前のことを改めて感じます。

また、必要に応じて、患者さん自身で行えること(運動など)を合わせるのも必要で、それによりさらなる効果的を望めるといったことも再認識します。

 贈呈していただいた本は、光線療法でよくなられた方の体験例も豊富に記されていて、光線療法を受ける患者や患者の家族の希望や指針となるすばらしいものです。この本を参考に光線療法を受けることで、多くの方が救われると思いました。しかし、厚く、重く、内容量も非常に多く、一般の方がこれを読むのは、なかなか大変そうです。そこで、この本を多くの方に知っていただきその内容を伝えるため、当院のHP上で紹介することにしました。

鍼灸でよくならなかった状況が、光線療法によって、文字どおり光を見ることができるかもしれません。また、鍼灸治療と光線療法を合わせて行うことで、病気の治癒、症状の緩和の可能性が広がることも期待できます。

 自分の症状に関係がありそうなところを読んでみてください。

🌞 光線療法はご自宅で行うこともできます。詳しくはお問合せください。

あまてらす

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馬込沢うえだ鍼灸院

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

光線療法

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