いわゆる自律神経失調症 1

多彩で複雑な症状が現れてくる自律神経失調症は、心身の生活リズムの乱れによって、生体が本来持っている恒常性維持機能(自然治癒力)が失調して生じるもので、代表的な心身症の一つです。原因が体質であれ、ストレスであれ、可視総合光線療法は自然回復力を調整しながら、血行改善によって生活のリズムの中心である睡眠を良好にして、複雑な症状を一つずつ解消していきます。

恒常性維持機能と自律神経の失調

自律神経失調症は、からだが疲れやすい、からだのあちこちが痛い、めまいやからだのふらつきがある、頭が重い、肩がこる、背中が張る、イライラして考えがまとまらない、眠れない、胸苦しい、胃が重い、おなかが張る、便秘がある、耳鳴りがする、動悸がする、息切れがするなど、さまざまな症状が現れるために、患者は医院や病院の内科、整形外科、耳鼻科、脳神経外科などを受診して、いろいろな検査や治療を受けることになります。

 しかし、明らかな異常所見が認められないとき、「低血圧症」「不整脈」「メニエール病」「不眠症」「慢性胃炎」などの診断名がつけられて、疲れにはビタミン剤、イライラや動悸には精神安定剤、不眠には睡眠剤、腹部不快感には胃腸薬というように対症療法を受ける結果となります。

 ところが、このような対症療法を受けてもさまざまな症状は改善しないことが多いので、また他の医療機関を受診することになり、いわゆるドクター・ショッピングを繰り返すことになります。そして最後に「自律神経失調症」という一つの病名ですべての症状が説明されて、患者は初めて納得することが多いようです。

 自律神経系は、生体にとって最も基本的な環境、消化、代謝、成長、体温、生殖などの諸機能を調整して、生体の恒常性(ホメオスタシス)を維持する重要な働きを担っています。

 恒常性維持機能の中心は間脳にある視床下部で、ここに精神・情動の変化や環境の変化、体内の変化などの情報が集められ、そこからの信号が自律神経系(交感神経、副交感神経)、内分泌(ホルモン)系、免疫系によって、末梢の各臓器に伝えられます。

 自律神経失調症では、視床下部の機能がうまく作動しなくなるため、自律神経系だけでなく内分泌系や免疫系にも異常が生じてくることになります。そのため現れる症状は複雑でさまざまです。

 自律神経系の失調は、生活リズムの乱れによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れて、多くの例では交感神経系が過緊張の状態になり、からだ全体の血行が悪くなってからだが冷えてきます。この状態が長く続くと、睡眠障害など身体的に多彩な症状がみられるようになります。

(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著

自律神経失調症を東洋医学ではどう捉えるか?

馬込沢うえだ鍼灸院

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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