疼痛緩和と血圧 2
【治験例 1】
■変形性脊椎症・骨粗鬆症
◆症状の経過:78歳の頃から変形性脊椎症・骨粗鬆症のため整形外科に通院した。特に脊椎の変形が著しく頚部、肩、背中の痛みが強く、手足のしびれもあった。
◆光線治療:5002-5002番の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両足首部、両膝部、腰部各10分間、後頭部5分間と左右咽喉部各5分間は1日おきに交互照射。
◆治療の経過:治療により頚部、肩、背中の痛みが少しずつ軽減した。頚を前後左右に動かす動作も楽になり、歩行も杖なしでできるようになった。治療8ヵ月後、しびれに大きな変化はないが、冷え症は改善し、食欲、睡眠は良好となった。180/84mmHgだった血圧も129/70mmHgとなった。
【治験例 2】
■先天性股関節脱臼
◆61歳/女性
◆症状の経過:40歳のとき左股関節痛があり、整形外科で先天性股関節脱臼と診断された。日常生活には支障がなく経過観察となった。58歳頃から歩行時に、特に階段昇降時に左股関節痛が頻回にみられた。血圧は53歳より降圧剤を服用しコントロールしていたが、痛みの出現ととも高めになっていた。
◆光線治療:3001-4008番の治療用カーボンを使用し、 両足裏部、両膝部、腰部 、左下腹部各10分間、右下腹部、後頭部各5分間照射。
◆治療経過:体動時の左そけい部や臀部の痛みは、治療6ヵ月後にだいぶ楽になった。治療1年半後も、重いものを持つと股関節痛はまだあるが、痛みは軽減した。治療継続で末梢血管抵抗の低下、心拍出量の増加により血行改善がみられ、最高、最低血圧ともに下降してきた。血圧の動向は、治療前166/98 mmHg →18ヵ月後125/73 mmHg 。
【治験例 3】
■腰部脊柱管狭窄症
◆73歳/女性
◆症状の経過:70歳頃から腰痛、右臀部痛、間欠性跛行があり、病院検査での結果、腰部脊椎肝狭窄症と診断された。整形外科での牽引治療は効果がなく、光線研究所付属診療所を受診した。血圧は降圧剤を服用していたが、痛みのため十分な降圧がなかった。
◆光線治療:1000-3002番の治療用カーボンを使用し、 両足裏部、両膝部、腰部 、左下腹部、右臀部各10分間、腓腹筋部、左下腹部、後頭部各5分間照射。
◆治療経過:治療後3ヵ月で腰痛は少し軽減、間欠性跛行も少なくなったが、その後はあまり改善がないので、腰上部を10分間追加した。半年後から腰痛は急速に改善、跛行も少なくなり、治療1年でほぼ完治に近い状態となった。治療3年目では、腰の状態は良好で血圧は降下し、血行は改善している。血圧の動向は、治療開始前174/106 mmHg →36ヵ月後141/90 mmHg 。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著