慢性疼痛に対する可視総合光線療法 2
~侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、痛覚変調性疼痛~
一般財団法人 所長 医学博士 黒田一明
■ビタミンD欠乏と慢性腰痛の関連について
(トルコの研究2018年)
この研究は腰痛など痛みのある患者を血中ビタミンD濃度が20g/ml未満の群と、20ng/ml以上の2群に分けてビタミンDが低い群ではVASからみた痛みはビタミンDが高い群に比べ有意に高かった(痛みが強かった)。さらに血中ビタミンD濃度と痛みの相関をみると、血中ビタミンD濃度が高いと痛みの程度が低いという逆相関の関係があった。以上から、ビタミンD欠乏は痛みに影響することが示唆された。
※VAS:最大の痛みを10と想定し、今の痛みを数値で表す。
■光線治療
◆ 治療用カーボン
3001-5000番、3001-4008番、1000-3001番、3002-5000番、1000-3002番などを使用。
◆照射部位
両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・腹部⑤・腰部⑥(以上集光器使用せず)各5~10分間、後頭部③(1号集光器使用)各5分間照射。その他病態に合わせて、痛む患部は1号あるいは2号集光器を使用して各5~20分間照射。患部は痛みの様子で1日2~3回照射。
【注意】
急性、慢性疼痛では光線照射により痛みが強くなる陽性反応が出ることがあります。陽性反応は自然治癒力を刺激する治療法でよく見られる反応で、照射継続により自然に治まります。痛みが長く続く場合は、自己判断せず医療機関を受診して下さい。
『光線研究 第637号』令和年4月1日発行 一般社団法人 光線研究所