慢性疼痛に対する可視総合光線療法

~侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、痛覚変調性疼痛~

 一般財団法人 所長 医学博士 黒田一明

 現代社会は痛みの時代と言われています。高齢化が進み様々な痛みを訴える人が増加している一方で、若い人で痛みを訴える人も増えてきました。  

 今回は、ビタミンDと疼痛の代表的な3つの分類の侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、痛覚変調性疼痛を文献と合わせて光線治療例を紹介します。

■慢性疼痛

 足腰の痛みは60~80歳代の高齢者に多い傾向がみられますが、身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの運動器慢性疼痛に限ると有病者はむしろ30~40歳代と若い人に多い傾向がみられます。痛みが長く続くと脳神経回路が変化し、過敏になって生活の質(QOL)の低下を招きます。睡眠の質も悪くなり、痛みの悪循環に陥り、痛みがより治りにくくなります。最近痛みは、神経メカニズムに基づいて侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、痛覚変調性疼痛に3分類されます。

■可視総合光線療法

 可視総合光線療法は、慢性疼痛の患者に様々な作用、効果があり広く利用されています。疼痛が続いている患者は熱エネルギーが不足し、体が冷え、全身及び患部の血行が不良で、患部が酸素不足になっています。日本では、強い冷えがある女性は冷えがない女性に比べると腰痛を訴える人が約5倍多いことが報告されています。慢性疼痛の患者は光エネルギー不足でビタミンD産生不足の状態にあります。可視総合光線療法の光エネルギーは、皮膚でのビタミンD産生を促しビタミンD不足を解消します。同時に熱エネルギーによる血行改善は、酸素不足を解消し自然治癒力を調節して、痛みを抑え症状改善につながります。ビタミンDは痛みに関与する下行性疼痛抑制系を調節します。慢性疼痛患者では脳神経が過敏状態にあり、可視総合光線は脳の過敏な状態を鎮め、精神、自律神経系を安定させて痛みを軽減し、生活の質(QOL)を高めます。

『光線研究 第637号』令和5年4月1日発行 一般財団法人 光線研究所

馬込沢うえだ鍼灸院

 

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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