前立腺肥大による夜間頻尿
77歳・男性・無職/174cm・体重65kg
◆症状の経過
60歳時に五十肩や腰痛を光線治療で改善した。その後は自宅で時々光線治療を行っていた。70歳頃に夜間頻尿の回数が徐々に増え前立腺肥大症を診断された。1年半前からひどいときは夜中に10回トイレに起きるので睡眠不足に陥り困っていた。PSA(前立腺特異抗原)15㎍/㎖(基準値:4㎍/㎖以下)で経過観察となった。
◆治療の経過
自宅の光線治療器2台を使用し、自己流でほぼ毎日光線照射を行った。夜間頻尿は以前に比べ回数が減る日もあったが、思うような効果を感じられずストレスになっていた。睡眠不足から肩こりがずっと気になっていた。1年後に後頭部③への光線照射をついかしたところ肩こりが大変楽になり、夜間頻尿が2回に減り驚いた。熟睡ができるようになり体調はよく、PSA値は上昇せずに経過観察を続けている。
◆光線治療
治療用カーボン3002-5000番、3001-4008番を使用。
両足裏部⑦・両膝部②・腹部⑤・腰部⑥・前立腺部㉖(2号集光器使用)を照射。照射時間は各10分間。1年後より後頭部③(1号集光器使用)10分間照射。
◆コメント
前立腺が肥大すると前立腺の中央を通っている尿道が圧迫され、一度に排出する尿量が減り頻尿となります。前立腺や尿道の筋肉には糞尿をコントロールしている自律神経の命令を受け止める「α受容体」という器官があります。睡眠不足による疲労やストレスなどの影響で交感神経の過緊張が続くと前立腺肥大は悪化傾向となり悪循環に陥ります。後頭部③への光線照射で交感神経の過緊張が緩みリラックスしたことで排尿障害が改善したと考えられます。
『光線研究 第627号』令和3年8月1日 一般財団法人 光線研究所発行