輸血が原因と思われるC型肝炎の数値が改善
【治験症例 1】
C型肝炎、高血圧症
71歳・女性・主婦
◆症状の経過
68歳時、倦怠感、食欲不振のため入院し、諸検査でC型肝炎による肝機能障害と診断された。GOTが700IU/lと高値のため、強力カミノファーゲンCの注射による治療を受けた。骨粗鬆症による背中の痛みもあった。
肝炎ウイルスの感染は、29歳時に肺結核で手術を受けた際の輸血によるものと思われる。治療により肝機能が改善し、退院したが、骨粗鬆症による背中の痛みや高血圧が心配で、親戚の紹介により当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
高血圧に対しては3000-5000番の治療用カーボンを使用し、両足裏部⑦10分間、両足首部①・両膝部②腹部⑤・腰部⑥・左右咽喉部④各5分間照射。
肝炎と背中に対しては1000-3001番の治療用カーボンを使用し、肝臓部㉗・背正中部㉘・肩甲骨間部⑫各10分間照射。⑦①②⑤⑥以上集光器使用せず、㉘⑫以上1号集光器使用、㉗④以上2号集光器使用。
◆治療の経過
自宅で光線治療を開始した。治療1~3ヵ月間で徐々に背中の痛みが楽になり、外出する気力が出てきた。降圧剤の服用でもあまり下がらなかった血圧が、下がってきた。
治療5ヵ月で、体調はよくなり、元気が出てきて、料理や家事もできるようになった。肝機能は正常範囲(30~50IU/l)となった。治療10ヵ月後には、食欲・睡眠・便通は良好となり、血圧は下がり、肝機能も18~30IU/lと安定している。
◆コメント
C型肝炎は進行を抑えることが重要である。本治験例はまだ光線治療10ヵ月だが、肝炎の再発はなく、高血圧もコントロールされてきている。倦怠感や無気力などの自覚症状が改善し、普通に家事が行える元気が出てきた。骨粗鬆症による背中の痛みも軽減してきている
●血圧(mmHg)
182/81(初診時)→ 142/67(3ヵ月後)→ 119/58(5ヵ月後)→ 118/68(10ヵ月後)
●足裏温(℃)
右:29.2(初診時)→ 33.0(3ヵ月後)→ 35.0(5ヵ月後)→ 32.5(10ヵ月後)
左:27.5(初診時)→ 32.8(3ヵ月後)→ 33.4(5ヵ月後)→ 32.0(10ヵ月後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著