過食が引き金の逆流性食道炎が消退
【治験症例 10】
逆流性食道炎/55歳・女性・小学校教諭/身長151cm・体重61kg
◆症状の経過
長年、小学校教師を務めてきたせいでストレスが多く、そのためか食べ過ぎる傾向があり、徐々に太ってきた。
昨年は67kgまで太り、体脂肪率は46%、健康診断では脂肪肝も指摘されていた。今年は減量して61kgまでになったが、こんどは食後に胃や食道部のもたれ感、むかつき、胸やけ感、痛みも出るようになった。
受診した病院ではが逆流性食道炎と診断され、担当医から「体脂肪が胃を圧迫しているために、胃液が食道に逆流しやすくなっている」と言われ、病院の薬を飲んで、症状は治まってきていたが、スッキリ感はなかった。
そんな折、教師仲間に光線療法を紹介され、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診、光線治療の指導を受けた。夫にも病気があるので、光線治療器を自宅に用意して、治療を始めた。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-4008番を使用し、両足裏部⑦10分間、両膝部②・腹部⑤・腰部⑥(以上集光器使用せず)各5分間、肝臓部㉗・上腹部⑪(以上2号集光器使用)・背正中部㉘各10分間、肩甲骨間部⑫(以上1号集光器使用)5分間照射。
◆治療の経過
光線治療の開始で、食後のもたれ感、むかつき、胸やけ感、胃・食道の痛みが徐々に軽減する感じがあった。
治療開始後2週間ぐらいで病院の薬を中止したが、症状のほうはずいぶん治まってきた。治療1ヵ月で症状は完全に消失した。光線治療は肥満、脂肪肝の改善のために、いまも継続している。
◆コメント
逆流性食道炎は、胃の内容物、おもに胃酸が食道に逆流することによって起こる食道の炎症である。食堂には胃のように胃酸を防ぐ働きがなく、胃酸と混じり合った食物や胃液が逆流すると、食道粘膜に炎症が起きる。
本治験例のような胸やけは、逆流性食道炎の代表的な症状だが、胸やけ以外にも、みぞおちやのどが焼けるように痛み、ものを食べたときの食道つかえ感、胃部不快感、胸痛、のどの違和感などの症状が出る場合もある。
光線療法の温熱作用と光化学作用は、食道の炎症を抑え、傷ついた食道粘膜の回復を促進する。また、食道下部の括約筋の動きや、食道・胃の蠕動運動を高める作用で、胃液の逆流を起こしにくくする。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著