両膝の痛みとむくみが改善して、血圧も安定
【治験症例 1】
変形性膝関節症、高血圧
84歳・女性・主婦/身長156cm・体重63kg
◆症状の経過
高齢のため膝や腰が痛く、とくに膝は左右とも腫れて痛みが強く、外出もしたくない状況であった。夜間には痛みで目が覚めることがあった。また2~3年前より血圧が高く、息切れもあったので、降圧剤の服用を始めたが、手足がむくむことがあった。
光線治療を行っている近所の人に、光線治療で体調がよいと聞き、その方の紹介で当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-4008番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①・腓腹筋部㉙・両膝部②・腰部⑥各10分間、腹部⑤・腰上部・後頭部③各5分間照射。⑦①㉙②⑤⑥以上集光器使用せず、③腰上部以上1号集光器使用。
◆治療経過
足腰が痛く、通院治療が困難なため、自宅で光線治療を開始した。治療初期はやや熱く照射したため、光線後疲れが見られた。その後は熱すぎないように照射距離を遠めにして、気持ちよい距離で治療を行った。
治療3ヵ月前後で、冷えが強かった足が温まり、膝痛で夜中に目を覚ますことがなくなった。また尿がよく出るようになり、足のむくみが減ってきた。
治療5ヵ月後、むくみが減って息切れも多少楽になり、外出する意欲が出てきた。治療1年後、膝痛や腰痛は日により変動があるが、1年前より動きが楽になった。治療3年後の現在、血圧は安定してきた。また、足腰は悪いながらも、日常生活はひとりででき、旅行にも行くことができるので助かっている。
◆コメント
高齢化社会では高齢者の自立が重要な問題となっている。高齢者でも、自分の身の回りのことができれば、QOL(生活の質)は高くなる。
本治験例は84歳の高齢者で膝や腰が悪く、生活の範囲が狭く、外出も大変な状態であった。しかし、光線治療継続により、痛みが緩和し、息切れが改善されて、外出することが多くなった。ときどきは旅行することも可能になり、気力も充実してきた。また血圧は良好な状態である。
●血圧(mmHg)
158/87(初診時) → 137/76(3ヵ月後)→ 146/65(5ヵ月後)→ 150/66(1年後)→ 144/68(3年後)
●足裏温(℃)
右:28.6(初診時) → 29.7(3ヵ月後)→ 32.4(5ヵ月後)→ 33.5(1年後)→ 32.8(3年後)
左:28.2 (初診時) → 29.5(3ヵ月後)→ 32.1(5ヵ月後)→ 33.3(1年後)→ 32.5(3年後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著