腰痛、右膝痛、下肢のしびれが軽減
【治験症例 10】
変形性腰椎症、変形性膝関節症
68歳・女性・主婦/身長148cm・体重56㎏
◆症状の改善
以前から、ぎっくり腰による腰の痛みがたびたび見られた。今回は腰痛だけでなく、右膝痛、下肢後面に痛みやジリジリするしびれがあり、整形外科で診察を受けたところ変形性腰椎症・変形性膝関節症と診断され、牽引治療を受けていた。
治療当初こそ牽引の効果は見られたものの、その後は改善がなかった。整体治療も効果がなく、友人の紹介で当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3002-6000番を使用し、両足裏部⑦・腓腹筋部㉙・両膝部②・後大腿部㉚・腰部⑥。腰上部各10分間、腹部⑤・後頭部③各5分間を照射。⑦㉙②㉚⑥⑤以上集光器使用せず、腰上部・③以上1号集光器使用。
◆治療経過
自宅での光線治療10回で、ジリジリした下肢後面のしびれは完治した。その後、膝痛と右下肢痛の治療に専念し、治療5ヵ月でこれらの痛みは半減した。
しかし、椅子から立つときや階段の昇降などがつらいため、光線治療は継続している。
◆コメント
女性に多いしびれを起こす代表的な疾患は、胸郭出口症候群と手根管症候群である。
胸郭出口症候群は頭から腕に向かう神経が肋骨や筋肉に圧迫されて、上肢のしびれ・痛み・麻痺を起こす疾患で、50~60歳代と20~30歳代の女性がかかりやすく、やせ型でなで肩の人に多く見られる。
手根管症候群は手関節における正中神経の絞扼性(締めつけ)神経障害をいう。手首内側の手根管の中を正中神経と屈筋腱群が通っており、この手根管が狭くなって正中神経を圧迫すると手の親指から薬指までしびれを感じる。
両疾患とも圧倒的に女性に多く発症し、妊娠・出産期と更年期、または近年は透析患者にもよく見られる。
しびれは朝方に強く、手をよく振るとしびれが軽減するのが特徴。症状が悪化すると、手指の知覚障害、筋委縮により細かい動作ができなくなる。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著