むち打ち症の諸症状が消失
【治験症例 10】
交通事故後遺症(むち打ち症)
50歳・女性・主婦/身長152cm・体重56kg
◆症状の経過
高速道路の渋滞中に脇見運転の車に追突され、車は後部が大破した。幸いにも外傷はなく、レントゲン検査で骨折は見られなかった。
しかし、運転中であったためハンドルで胸部を強打し、翌日よりむち打ち症にともなう諸症状(吐き気、めまい、頭痛、頚部痛、肩背部痛、手足しびれなど)が現れた。とくに頚部は起床時よりつっぱり感があり、洗顔のための前屈も苦痛で、また頭を上下左右に動かすこともつらかった。
整形外科で牽引治療と低周波治療を受けていたが症状は改善せず、受傷後2週間後には腰痛も出現し、椅子に座っているのもつらくなった。また、吐き気のため食欲もなく、1ヵ月で2kgも痩せてしまった。
光線治療は30年来愛用しており、健康管理に大いに役立ててきた。今回も早速3002-3005番や3002-3009番の治療用カーボンを使用して、自己流の照射を試みていたが、残念ながら著効を得られなかった。
地方在住のため、受傷1ヵ月後にやっと上京し、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
3002-4008番と3002-4009番の治療用カーボンを1日おきに交互に使用し、両足裏部10分間、両足首部・両膝部・腰部・背正中部各5分間、肩甲骨間部・頚椎下部・左右咽喉部各10分間照射。 両足裏部・両足首部・両膝部・腰部は集光器使用せず、背正中部・肩甲骨間部・ 頚椎下部は1号集光器使用。左右咽喉部(2号集光器使用)は左右それぞれ首すじ部に照射した。
◆治療の経過
初診時は痛みのため、右肩が上がり、左肩は下がりながら後ろにねじれている状態であった。最初の1ヵ月間は1日2回光線治療を行い、以後は1日1回治療した。
自宅治療2週間で背中の筋肉がやわらかくなり、肩の位置も左右バランスがとれた状態になった。治療開始2ヵ月後には、頚部の痛みはなくなり、頭をどのように動かしても痛むところはなくなった。手足のしびれや腰痛もまったく感じなくなった。吐き気もなくなり、食事もおいしく食べられるようになった。
治療6ヵ月後の現在では、ときおり軽い肩こりを感じる程度で後遺症はまったくない。
◆コメント
むち打ち症は、レントゲン検査などでは異常が見つからない。そのため自覚症状による訴えのみで第三者にそのつらさが伝わらず、そのストレスも重なり患者は苦しい思いをすることが多い。
本治験例では、長年光線治療を継続して行っていたために、自然治癒力が充分に備わっており、光線治療による反応が大変よく、陽性反応(初期反応)も出ずに短期間で治癒した例といえる。
●握力(kg)
右:27(初診時)→ 28(2ヵ月後)→ 33(6ヵ月後)
左 :21(初診時)→ 22(2ヵ月後)→ 28(6ヵ月後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著