死の四重奏
先進国では肥満、糖尿病、高血圧、冠動脈疾患、脂質代謝異常、脂肪肝などの疾患は生活習慣病としてよくみられ齢とともに増加してきます。高齢者の半数以上に冠動脈疾患、半数近くに肥満、高血圧、さらには2割程度に糖尿病、脂質代謝異常、脂肪肝がみられます。1人で複数の疾患を持っている場合も少なくありません。
近年、これらの疾患の発症に血糖を下げるホルモンであるインスリンが関係していることが明らかになってきています。高脂血症・糖尿病・高血圧・肥満が合併する場合は「死の四重奏」とも呼ばれています。これの提唱者である米国の高血圧専門医のカブラン博士は、これらを併せ持つと冠動脈疾患の危険が相乗的に増加すると指摘しています。この4病態の合併は偶然ではなく高率に認められ、理想体重より20%以上の過体重の肥満者では非肥満者より高血圧は3倍、高トリグリセライド(中性脂肪)血症と糖尿病は2倍以上です。
高血圧者(140/90mmHg以上)では、正常血圧者より肥満と糖尿病は約2倍多く、肥満者では高トリグリセライド血症と低HDLコレステロール血症の合併が多くみられます。最近の研究ではインスリンが肥満や高血圧症に大きな影響を与えることがわかってきました。これらの疾患では末梢組織でのインスリン作用が悪くなるために、からだはインスリンを過剰分泌し、その結果、高インスリン血症となります。この高インスリン血症が基盤となり、糖尿病、グリセライト血症・高血圧が加わると動脈硬化が促進されて冠動脈疾患の危険が相乗的に増加します。
可視総合光線療法は末梢血流の改善、末梢筋肉系でのインスリンの作用を高め脂質代謝異常、糖代謝を改善して生活習慣病の予防となります。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著
当然ながら、生活習慣病への根本アプローチは生活習慣の見直し及び改善です。その結果として高かった血圧が下がるというのであればまったく問題はありません。それどころかそれはとても望ましいことです。しかし帳尻を合わせるように単に薬剤で血圧を下げると、組織に届くべき血液が届かず酸素と栄養が不足し、脳血管障害等のリスクが高まるといった指摘もあります。