顔面の神経麻痺 2
【治験例 1】
■左顔面神経麻痺
◆62歳/女性
◆症状の経過:9月頃より左眼を閉じるときに違和感を感じ、徐々に症状がひどくなった。12月下旬に病院を受診し、左顔面神経麻痺と診断され翌年1月より入院治療を受けた。しかし症状は改善しないまま1月下旬退院した。その後通院でリハビリ治療を続けていたところ、友人の紹介で3月に当診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療:3002-5000番の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両膝部(以上集光器使用せず)、後頭部(1号集光器使用)、口中部、左こめかみ部、左耳耳下腺部(以上2号集光器使用)照射。照射時間は各5~10分間。
◆治療経過:治療1ヵ月後、動かなかった左上瞼が動くようになり眼が半分くらい閉じられるようになった。少し顔にしわを寄せられるようにもなり口角下垂の状態もよくなり歌も唄えた。治療2ヵ月後、上瞼の動きがスムーズになり眼の開閉を多少連続してできるようになった。しかし顔の表情に硬さがあり、動かすの違和感があった。治療4ヵ月後、口角の麻痺もとれ大きな声もでるようになり眼の開閉も自由になる。
【治験例 2】
■帯状疱疹による眼筋麻痺
◆76歳/男性
◆症状の経過:左三叉神経第一枝(眼神経)に帯状疱疹が現れ、痛み、発疹、発熱、複視があり皮膚科や眼科などの治療を受けたが、改善がみられなかった。以前より愛用していた光線治療器で治療を開始した。
◆光線治療:3001-3002番の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両膝部(以上集光器使用せず)、後頭部(1号集光器使用)各5分間、左前額部10分間(以上2号集光器使用)照射。2ヵ月後より、3001-5000番の治療用カーボンに変更し、両足裏部、両膝部、後頭部各5分間、左眼、左こめかみ部(以上2号集光器)各5~10分間照射。
◆治療経過:治療2ヵ月後、帯状疱疹の皮疹はよくなったが、複視が改善せず眼科で左滑車神経麻痺による左上斜菌の眼筋麻痺と診断された。
光線治療方法を変更した1ヵ月後より複視は改善した。眼科の検査でも眼筋麻痺は治癒と診断され、運転免許証の書き換えも無事光線できた。しかし、左眼が少しかすんで見えるので光線治療は継続している。
【解説】三叉神経は帯状疱疹の好発部位であり、その多くは眼の合併症を引き起こす。その障害はさまざまで重い資力障害をきたすこともある。しかし、帯状疱疹による眼筋麻痺、中でも滑車神経麻痺はまれである。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著