肺気腫 2
肺気腫の光線治療
急性肺気腫は一過性で、治癒しますが、慢性の場合は全治は望めません。しかし、病状を現状以上に悪化させないように養生に努めることが大切です。よくうがいをすることや粉塵の吸入を避ける、必ず禁煙するなど生活上の注意事項を守り、急激な温度の変化のある地域や部屋には行かないなど、環境にも留意します。また、肉体的な過労を避けるようにすることも大切です。しかし、必要以上に安静にする必要はありません。適度な運動はむしろ積極的に行った方がよいでしょう。
可視総合光線療法を行って全身の血液循環をよくし、感染を予防し体調を整えることが大切です。また、光線治療は呼吸筋の緊張をとり、呼吸運動をスムーズにする作用もあります。
【治験例】
■肺気腫
◆72歳/男性
◆症状の経過:20歳のとき肺結核で1年間療養した。風邪をひくと咳・痰が長引くことがあった。タバコは長年1日20本吸っていた。60歳のとき胸部のレントゲン写真で肺気腫と診断された。65歳頃より階段の上りや小走り時に息切れや動悸があり、禁煙して投薬を受けた。67歳のとき咳・痰が多くなり、息切れ、背中痛、腰痛もあった。光線治療を希望し当診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療:3000-5000番の治療用カーボンを使用し、両市裏部、両膝部、腰部(以上集光器使用せず)、肩甲骨間部、頚椎下部、(以上1号集光器使用)各10分間、左右咽喉部(2号集光器使用)各5分間照射。
◆治療経過:治療2ヵ月後で背中の痛み、こりが減り、呼吸が楽になった。治療1年後、足の冷えは改善し咳・痰が少なくなった。5年後、朝は咳・痰が出るが、背中痛、腰痛はなくなった。風邪予防のための治療は継続中。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著