気管支喘息 1
気管支喘息(喘息)は、発作性の咳、喘鳴(呼吸のたびにヒューヒュー、ゼーゼーする音)、呼吸困難を症状とする病気です。発作時以外は症状がないという特徴があります。発作を繰り返すと、気道の粘膜が徐々に厚くなり、狭くなった気道が元に戻らなくなり治療が難しくなります。そのため喘息の治療は発作を起こさないことが重要となります。
喘息の種類と症状
気管支喘息は、外的な要因が明らかな外因型(アトピー型)と、原因が明らかでなく、精神的な要因や感染の関与が考えられる内因型と、その両者が混合したと考えられる混合型に分けられます。
1)外因型喘息(アトピー型)
小児や若い成人が罹患しやすい喘息です。原因となるアレルゲン(花粉、食物、塵埃など)を吸い込むとアレルギー反応により、気管や気管支を取り巻く平滑筋が収縮(攣縮)し、粘膜が腫れ、気管支粘膜の分泌が高まり、喘鳴、呼吸困難および呼吸促拍などの喘息の発作が現れます。これらの発作は通常の場合、突然始まり短時間持続して治まります。そして、次の発作が起こるまでは比較的無症状です。既往歴にアレルギー性症状を有することが多く、家族にアトピー(アレルギー体質)患者がいることも少なくありません。
2)内因型喘息(非アトピー型、感染型)
通常、壮年期に起こる喘息です。小児ぜん息では9割以上にアレルギーの関与が認められますが、成人喘息では、アレルゲンを発見できるのは6割程度。残りの4割はアレルゲンを発見できない「非アトピー型喘息」です。
喘息の最もよく起こる時期は9~11月にかけてで、次いで、春、冬、夏の順になります。特に季節の変わり目に多く、梅雨時も秋に次ぐ起こりやすい時期になっています。1日では朝方2時から7時頃にかけて発作ないし症状が強くなる例が多いようです。
喘息の症状は、発作のないときはほぼ正常人と変わりありません。発作は喘鳴と呼吸困難によって特徴づけられます。また、咳や痰の量が増えがちです。呼吸困難のときは、横になっている姿勢よりも前かがみに座って呼吸する姿勢のほうが楽です。
重症になると、呼吸困難がさらに激しくなり、血液中の酸素不足により、くちびる、爪、皮膚などが紫色になるチアノーゼが認められ、意識がなくなることもあります。
気象的な要因、身体的な要因、精神・神経的な要因によって誘発されることも少なくありません。
喘息の光線治療
小児期の喘息は、成長ととも自然に消退することが多い(6~8割)のですが、思春期以降に持ち越すと、長く反復を繰り返す例が多くなります。
気管支喘息は慢性的に経過することが多いので、可視総合光線療法は早期から継続的に行うことが大切です。また、心因的および身体的ストレスが喘息発作の発現を助長しますので、過食や過労を避け、規則正しい生活を送ることが大切です。喘息などのアレルギー体質は冷え症をともなうので、からだをひやさない対策も大切です。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著