抗ガン剤の副作用を軽減し、闘病生活をサポートする可視総合光線療法

一般財団法人光線療法

   研究員 新井雄悠介

所長 医学博士 黒田一明

 ガンと診断されると早期であれば手術が可能ですが、病巣が大きかったり、進行ガンの場合、体力や状況によりますが、抗ガン剤治療が推奨されます。抗ガン剤は、治療や延命、再発防止、症状の軽減など状況に応じて、ガンに対する混ざ間な薬が使用されます。

 一方で、抗ガン剤治療を続けていくには、ガンのそのものとの闘いだけでなく、抗ガン剤の副作用による日常生活の質(QOL)の低下とも付き合っていく必要があります。可視総合光線療法は、その人の持つ免疫力を高め、抗ガン剤の副作用を軽減して、QOLを保ち、闘病生活を乗り切っていくのに大変有用です。今回は経過の良い症例を紹介します。

■抗ガン剤の種類と各々の副作用

➀細胞障害性抗ガン剤薬

細胞が増殖する仕組みの一部を阻害することで、ガンを攻撃する従来の抗ガン剤です。活発に増殖する細胞に対して治療効果を及ぼすため、分裂の早い正常細胞(消化管、骨髄、毛髪粘膜組織など)も障害され、副作用が現れやすいのが特徴です。治療直後は、発熱や吐き気、翌日から1週間から2週間は、口内炎や下痢、それ以降は、脱毛や手足の痺れなどが現れやすくなります。

②分子標的薬

 ガン細胞増殖のスイッチとなる細胞にある分子を標的にして作用します。ガン細胞増殖に関する遺伝子変死を持っている人が対象になります。薬の種類により副作用は様々ですが、一般的に発熱や吐き気、だるさ、湿疹などが現れます。頻度は少ないですが間質性肺炎など重篤な副作用が現れることもあります。

③免疫セックポイント阻害薬

 本薬はガンによって抑制されていた免疫細胞を再活性化させます。ガンが細胞表面に免疫細胞を不活化する分子を発現している場合に使用します。疲労感は発熱、皮膚の痒み、発疹などが現れやすいですが、従来の抗ガン剤と比べて吐き気や脱毛などは少ないとされます。また、急性Ⅰ型糖尿病や副腎皮質機能低下症など自分の細胞を自ら攻撃する自己免疫疾患の様な副作用がみられることもあるため注意が必要です。

⓸内分泌療法

 乳ガンや前立腺ガンなど性ホルモンを増殖の燃料としているガンの場合使用します。性ホルモン分泌が抑えられるため、ほてりやむくみ、生殖機能に関する不調、やる気が起きないなどの精神症状が現れやすくなります。

■抗ガン剤への薬剤耐性に対するビタミンD作用の研究(2020年イタリアの研究)

 ビタミンDの欠乏はかねてより、様々な種類のガン発生率や死亡率などと強く関連することが示されてきました。最近は、ビタミンDの作用としてガンの薬剤耐性のメカニズムを克服する可能性も指摘されています。ガンの薬理学的耐性は腫瘍進行の主な原因であるため、薬剤耐性を克服することは最大の課題です。ビタミンDに備わるガン細胞にプログラムされた細胞死を促す作用が、薬剤の増強として機能し、また炎症お抑える作用がガンの生存に不利に働くよう機能します。さらに抗ガン剤の細胞内濃度に影響する輸送体野発現を調節するなどの可能性も指摘されています。これらの作用を通じて、ビタミンDが薬剤の効果を発揮するための土台を整え、ガン薬剤耐性メカニズムを抑制させることが考えられます。

光線研究 第651号 令和7年8月1日発行 一般財団法人 光線研究所

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

ガンについてビタミンD

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