
ぎっくり腰(急性腰痛)に対する可視総合光線療法 1
一般財団法人 光線研究所
研究員 柿沼 規之
「ぎっくり腰」は多くの方がご存じだと思います。正式には「急性腰痛症」と呼び成人の約10~20%の人が1年間に少なくとも1回はぎっくり腰になるといわれています。
腰部を含め全身の血液循環を良好にして抗炎症作用を発揮する可視総合光線療法は腰痛全般的に効果的です。今回はぎっくり腰(急性腰痛)の解説とともに症状が改善した症例を紹介します。
■ぎっくり腰(急性腰痛症)
重い物を持ち上げた時、腰を捻った時などに突然発症することが多く、特に血流が停滞し筋肉が硬直しやすい朝の時間帯に発症しやすいのがぎっくり腰の特徴です。痛みの原因は主に腰周辺の筋肉や関節がダメージを受けることで、個人差はありますが体を動かせないほ急激に強い痛みが生じることもあります。原因となる疾患名として『筋筋膜性腰痛』『腰椎椎間板ヘルニア』『腰椎椎間関節症』などが挙げられますが原因がはっきりしないこともあります。安静にして1週間~1ヵ月ほどで自然に軽快することが多いものの、再発の繰り返しを恐れるあまり、不安や緊張から交感神経が優位になり血管が収縮、血行不良に陥り周囲の筋肉の硬さがとれず痛みが長期間継続する慢性腰痛に移行してしまうこともあります。
■可視総合光線療法
現代社会では多忙な生活を日々過ごす人が多くストレスにさらされ疲労が蓄積、睡眠不足などにより交感神経の過緊張が続き血行不良に陥ります。さらに長時間の間同一の姿勢による筋疲労や運動不足で筋力低下を招き、腰回りの筋肉が硬くなるとぎっくり腰を発症しやすくなります。可視総合光線療法の光と熱エネルギーは、交感神経の過緊張を和らげリラックス効果を生み、自律神経のバランスを整え、腰回りを含めた全身の血行状態を良好にして冷えを改善、傷んだ組織の修復・再生を促し症状の改善を早めます。
腰痛発症直後には患部を冷やし痛みの緩和を図ることが推奨されているようですが、これは症状の一時的な軽減だけで患部の回復にはつながりません。特に漫然とした冷やし続けることは血行不良を招き痛みの慢性化のリスクを高めるので避けた方が良いでしょう。光線療法は体内でのビタミンD産生を促します。このビタミンDにより炎症物質が不活性化され、発症直後から光線照射することで痛みが抑えられている症例は数多く見られます。もしも光線照射で痛みが強くなったとしても一時的な陽性反応なので、時間とともに(数時間から数日)痛みは軽減します。陽性反応による痛みが強い場合は患部の照射距離を通常(20~30㎝)よりもさらに遠目(40~50㎝)にし、照射時間を短くしたりして様子をみます。また光線治療を行うとともに痛みを我慢できる範囲で積極的に体を動かした方が、急性腰痛の予防には効果的です。
◆治療用カーボン
3001-4008番、3001-5000番、3002-5000番、3002-3009番、1000-3001番、1000-4001番などを使用。
◆照射部位及び照射時間
両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・腹部⑤・腰部⑥(以上集光器使用せず)、患部(1号集光器使用)を照射、照射時間は⑦⑥各10分間、①②⑤各5分間、痛みが強い患部10~30分間。余裕があれば痛みが強い患部を1日2~3日回照射する。
光線研究 第647号 令和6年12月1日発行 一般財団法人・光線研究所