朝起きられない病気に対する可視総合光線療法 3
■起立性調節障害
起立性調節障害は自律神経(交感神経と副交感神経)の働きのバランスが悪くなり、起立時に体や脳への血流が低下する病気です。思春期に発症しやすく、症状は起床時に強く現れ、朝起きられず倦怠感や立ちくらみで学校への投稿が困難になることもあります。午後から交感神経の働きが活発になり始め、そのピークが夜になるので目が冴えて寝付きが悪くなります。そのため夜更かしとなり、結果さらに朝の起床ができなくなる悪循環に陥ります。光線療法で自律神経のバランスを整え生体リズムを調節することで症状改善を図ります。また、多くの栄養が必要になる年代にもかかわらず、当疾患で食欲不振になり栄養不足になる懸念もあります。光線療法は食欲増進や消化吸収能力を高める効果があるので、この点でも光線治療は有意義です。
【治療例2】
起立性調節障害
23歳 女性 会社員 1697cm 58kg
◆症状の経過
14歳(中学3年)の頃、朝起きられなくなった。夜になると元気になり眠れなくなる悪循環だった。小児科を受診し起立性調節障害と診断、服薬を始めたが効果を実感できず、その後は病院と相談し、薬を変えてみたが効果はなかった。心配した母親から光線治療を勧められ当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボン3002-5000番を使用し、⑦①②③⑮各10分間照射。
◆治療の経過
服薬と光線治療を併用し徐々に朝起きられるようになった。手足の冷えが大変強く体調は日によって波があったが中学・高校・専門学校をなんとか卒業でき、光線治療に助けられたと感じていた。卒業後就職し光線治療はやらなくなった。仕事のストレスから精神が不安定になり会社を半年で辞め、その後2度別の会社に就職するも長続きしなかった。朝起きられず、腰痛、息苦しさ、食欲不振もあり病院で再発と言われた。22歳時に当付属診療所(光線研究所付属診療所)に相談し、光線治療を再開。以前の照射方法に腹部⑤、腰部⑥各10分間を適宜追加照射。徐々に冷えが緩和し、少しずつ気持ちが前向きになり、朝起きられるようになってきた。2ヵ月後、筋力トレーニング始め腰痛と息苦しさ、食欲不振が改善、3ヵ月後再就職した。1年経過した現在、体調は良好で問題なく仕事も行っている。
光線研究 第644号 令和6年6月1日発行 一般財団法人 光線研究所