朝起きられない病気に対する可視総合光線療法

―睡眠時無呼吸症候群・起立性調節障害―

一般財団法人光線研究所

 研究員     柿沼 規之

 所長 医学博士 黒田 一明

 2021年発表の経済協力開発機構(OECD)加盟国33ヵ国の平均睡眠時間はの各国比較によると日本は最も短い7時間22分でした。睡眠時間が足りず、または睡眠時間を確保しているにもかかわわらずどうしても朝起きられないと悩む人もいます。後者の場合、病気が潜んでいる可能性もあります。目覚めの良い質の高い睡眠は誰しもが望むことです。

 今回は、特に朝起きられない代表的な病気でもある睡眠時無呼吸症候群、起立性調節障害、うつ病の解説とともに可視総合光線療法での改善礼を紹介します。

 本療法の光と熱エネルギーは全身の血行状態を良好にし冷えを改善します。一般的に夜になると手足から放熱することで深部体温を下げ、体は熟睡モードに入り、朝の良い目覚めに繋がります。冷え性の人はこの体温調節がうまく機能せず睡眠不調に陥りやすく、良質な睡眠には光線療法で冷え性を改善させることが大変重要です。また光線療法による光と光線療法で体内で産生されるビタミンDは、精神を安定させるセロトニンや体内時計を調節するメラトニンの分泌を促し睡眠の質を高めます。睡眠の質の低下は生体修復能力や免疫力の低下につながり、感染症罹患や、生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症など)の発症、悪化なにも影響します。光線療法は免疫力を強化するため朝の目覚めや睡眠を良質にするだけでなく、感染症や生活習慣病予防にも寄与します。

〇睡眠時無呼吸症候群

3001-5000番、3001-4008番、1000-3001番などを使用。

〇起立性調節障害、うつ病

3002-5000番、1000-3002番、1000-4002番などを使用

両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・腹部⑤・腰部⑥(以下集光器使用せず)、後頭部③(1号集光器使用)、左右咽喉部④(2号集光器使用)を照射。うつ病や起立性調節障害は前額部⑮(2号集光器使用)、睡眠時無呼吸症候群で慢性鼻炎がある場合は鼻部⑯(2号集光器)を適宜追加照射。照射時間は各5~10分間。

※就寝時に光線療法を行うと目が冴えて眠りづらいという陽性反応がでる方は、なるべく朝~午前中に治療を行うとよい。

 睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなることにより無呼吸といびきを繰返す病気です。良質な睡眠が妨げれれ、朝起きられない、ぼーっとする、日中の眠けなどの症状がでます。睡眠中に体内の血中酸素濃度が低下することで患者の約5割が高血圧を合併、糖尿病のリスクが約3倍高まることが報告されています。主な原因は肥満ですが、痩せていても治療の必要な人は少なくありません。顎が小さい、扁桃腺が大きい、慢性的な鼻炎、などは発症を誘発する要因となります。病院では経鼻的持続陽圧呼吸法(CPAP)、マウスピース装着などの治療がありますが、あくまでも対症療法です。鼻炎や肥満など原因の改善が必要です。光線療法を併用することで新陳代謝を高め減量をサポートしたり、鼻炎を改善させたり、また気道粘膜の働きを強化し呼吸や息苦しさを緩和し睡眠の質の改善に寄与します。

 光線研究 第644号 令和6年6月1日発行 一般財団法人・光線研究所

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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